トウモロコシ
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トウモロコシ
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 単子葉類 monocots
: イネ目 Poales
: イネ科 Poaceae
: トウモロコシ属 Zea
: トウモロコシ Z. mays
学名
Zea mays L.
英名
: corn: maize
Zea mays "fraise"
Zea mays "Oaxacan Green"
Zea mays 'Ottofile giallo Tortonese'

トウモロコシ(玉蜀黍、学名 Zea mays subsp. mays (L.) Iltis)は、イネ科一年生植物穀物として人間の食料や家畜飼料となるほか、デンプンコーンスターチ)やバイオエタノールの原料としても重要で、年間世界生産量は2009年に8億1700万トンに達する。世界三大穀物の一つ[1]

日本語では地方により様々な呼び名(地方名)があり、トウキビまたはトーキビ(唐黍)[2]ナンバ[2]トウミギ、などと呼ぶ地域もある(詳しくは後述)。

コーン (corn) ともいう。英語圏ではこの語は本来穀物全般を指したが、現在の北米オーストラリアなどの多くの国では、特に断らなければトウモロコシを指す。ただし、イギリスではトウモロコシを メイズmaize)と呼び、穀物全般を指して コーンcorn)と呼ぶのが普通である。

植物の特徴

雄花はの先端にススキ状に生じる
雌花()は茎の中ほどにたくさんつく

熱帯アメリカ原産[2][3]。数多くの品種があり、食用や飼料用の作物として畑で広く栽培されている[3]。多くは性であるが、ごく少数ながら性のものもある[4]。大型のイネ科一年草で、は単一で直立し、互生して下部はとなって茎を包む[3]。イネ科としては幅の広い葉をつける。一生のうちに付く葉の数や背丈は品種によってほぼ決まっており、早生品種ほど背丈は低く葉の数も少ない[5]

熱帯起源のため、薄い二酸化炭素を濃縮する為のC4回路を持つC4型光合成植物である。多日照でやや高温の環境を好む。大型の作物であるため、育成期間中を通して10アールあたり350 - 500トンの水を必要とする[5]

発芽から3か月程度で雄花(雄小穂)と雌花(雌小穂)が別々に生じる。雄小穂は茎の先端から葉より高く伸び出した円錐花序で、雌花だけがついた小穂を密につけ、ススキの穂のような姿になる[3]。雌小穂は茎の上方の葉腋に出た円柱状の穂状花序で、雌花は包葉()に包まれていて、上端から絹糸と呼ばれる長い雌しべ花柱だけが、ひげ状に長く束になって伸びだして顔を出す[3]。トウモロコシのひげはこの雌しべにあたる。

花粉風媒され、受粉すると雌花の付け根が膨らみ可食部が形成される。イネ科では珍しく、種子果実)が熟すと穎の中から顔を出す。種子の色は黄・白・赤茶・紫・青・濃青など。

栽培・繁殖は、種子を春蒔きして行われる[3]。作物としての旬は夏で、日本では6 - 9月頃に出荷され、特に7月頃に多く出回る。

品種分類

トウモロコシは長い栽培の歴史の中で用途に合わせた種々の栽培品種が開発されている。雑種強勢(異なる品種同士を交配すると、その子供の生育が盛んとなる交配の組み合わせ)を利用したハイブリッド品種が1920年頃からアメリカ合衆国で開発され、以後収量が飛躍的に増加した。また、近年では遺伝子組換えされた栽培品種も広がりつつある。

一般にトウモロコシの分類に用いられるのは、粒内のデンプンの構造によって種を決める粒質区分である[5]。種によって用途や栽培方法に違いがある。

学名は「Zea mays subsp. mays (L.) var.〜」となるので、「Z.m.L.var.〜」で表記する。

主に食品用途の品種

甘味種(スイートコーン)(Z.m.L.var.saccharata)
食用の品種。茹でる焼く(焼きトウモロコシ)、蒸すなどの調理方法がある。
加工食品用の材料でもあり、例えばコーンフレークコーンミールなどの材料にもなる。種子に含まれる糖分が多く強い甘味を感じるが、収穫後の変質や呼吸による消耗が激しく、夏季の室温中では数時間で食味が落ちる。対策は低温管理の徹底か、収穫後すぐに加熱して呼吸を止めるなどである。
ベビーコーン(ヤングコーン)
生食用甘味種の2番目雌穂を若どりして茹でたもの、サラダや煮込み料理などに用いられる。
甘味黄色粒種
実が黄色の甘味が多い品種。
味来(みらい)
1990年代から出回った生食可能な品種の先駆け、平均糖度12度。
サニーショコラ
糖度15度以上、生食可能。
ゴールドラッシュ
実が柔らかく、糖度の高い品種。生食可能。
ミエルコーン
粒の皮が薄く、糖度の高い品種。生食可能。ミエルとは、フランス語で「蜂蜜のような甘さ」という意味を表している。
ピクニックコーン
味来の改良型で平均糖度が18度以上と高く、小振りな品種。生食可能。種苗会社では、火を通した後に冷やすことにより甘みが増加されることをPRし、火を通した後冷たくして食べることを推奨している[6]
甘味バイカラー粒種
実が白、黄色系など色が混ざった混合品種。
ハニーバンタム
アメリカより伝来、日本で初めに食された品種。その後、品種改良により「ピーターコーン」が登場して以来、生産が減少し市場流通より姿を消しつつある。
ピーターコーン
粒皮がやわらかく、糖度の高い品種。ハニーバンタムより軟らかく甘味がある。
ゆめのコーン
実が柔らかく糖度の高い品種。生食可能。
カクテルコーン
黄・白粒が混ざり(カクテル)、実が柔らかく糖度の高い品種。生食可能。
甘々娘(かんかんむすめ)
糖度が高く、生でも食べられる品種。時間経過による糖度の低下が遅い。しかし発芽率が低く、栽培の難しい品種でもある。
甘味白色粒種
実が白色で甘味が多い品種。
ピュアホワイト
白いとうもろこし(とうきび)や幻のとうもろこし(とうきび)とも呼ばれ、平均糖度17度以上とも謳われている。生食も可能だが火を通すと甘味黄色・バイカラー種に比べると食味はやや劣る。
雪の妖精
ピュアホワイトの進化型。平均糖度17度で生食も可能。
ホワイトショコラ
ピュアホワイトの進化型。平均糖度17度で生食も可能。

以上に示されているのは色や食味による分類であるが、それらに関わる遺伝子については多くが特定されている。甘味に関わる遺伝子ではsu遺伝子、se遺伝子、sh2遺伝子などが特に重要で、それらの組み合わせによってはスイート種。スーパースイート種、ウルトラスーパースイート種などのタイプがある。遺伝子の組み合わせによって、糖の含有量や糖の種類(風味)の違いが生まれる。スイート種は缶詰などの加工用で、青果として流通することはほとんどない。青果としてはスーパースイート種やウルトラスーパースイート種などであるがウルトラスーパースイート種では甘すぎると感じる人もいる。

硬粒種(フリントコーン)(Z.m.L.var.indurata)
食用、家畜用飼料、工業用原料に主に使用される。
爆裂種(ポップコーン)(Z.m.L.var.everta)
菓子ポップコーンの原料となる。
糯種(ワキシーコーン)(Z.m.L.var.seratina)
完熟種子表面がワックスしたようにツルツルしているので、この名が付けられた。デンプンがもち性を示すため、もち米の代替品として、加工原料に使われる[7]
軟粒種(ソフトコーン、スターチ・スイートコーン)(Z.m.L.var.amyrae-saccharata)
子実が軟質澱粉により形成されている。
ジャイアントコーン