苔類
A mikxture of liverworts from Kunstformen der Natur (1904), plate 82.jpg
Haeckelのイラスト
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 陸上植物 Embryophyta
: 苔植物門Hepatophytaもしくは
ゼニゴケ植物門 Marchantiophyta
下位分類
  • 本文参照

苔類(たいるい、学名Marchantiophyta)は、コケ植物のうち有胚植物に属するグループ)に属する大きな一群である。コケ植物には、苔類のほかに蘚類(せんるい)、ツノゴケ類があり、それぞれが単系統群である。苔類ではゼニゴケジャゴケが有名であるが、これらは必ずしも苔類の典型ではなく、より多様な姿のものが含まれる。

概要

苔類は、コケ植物の一群で、コケ植物の中では蘚類と並ぶ大きなグループである。最も有名なのは、ゼニゴケジャゴケであろう。これらは、蘚類の多くが双子葉植物を小さくしたような形、つまり茎葉体(けいようたい)であるのに対して、そのような区別のない、葉状体(ようじょうたい)である。しかし、ほかの多くの苔類は蘚類と同様に茎葉体である。

茎葉体の場合、蘚類との区別点は、苔類のものは、葉が大きく裂け、腹面側と背面側の裂片が区別できること、中肋がないことである。ただし、例外も多く、区別が難しい場合もある。

また、蘚類の多くでは、さく胞子のう)が丈夫で、長い間観察できるのに対して、苔類のそれはごく一時的で、すぐに壊れてしまう。ゼニゴケ類ではキノコの傘のような胞子形成部を作るが、これは配偶体が作るもので、胞子体はその傘の裏面に小さく顔を出すだけである。

形態

茎葉体のものと葉状体になるものがある。種数としては前者の方がはるかに多い。

茎葉体のものは、多くは匍匐する。蘚類の葉は細くとがったものが多いが、苔類のものはたいてい丸い。葉は3列に並ぶが、そのうち2列が特に発達する。発達した葉は左右にほぼ平面に並んでおり、側葉と呼ばれる。側葉は、たいてい大きく裂けて、背面側と腹面側で大きさに差がある。どちらかが小さくなって、もう1方の基部に折り畳まれるように重なっている例も多い。これらの形質は、分類上の重要な特徴である。発達しない1列は、側葉の間の茎の上に並んでおり、腹葉とよばれるが、退化してなくなっているものもある。茎葉体にもほぼ直立するものもあるが、これらの特徴は大体保持されている。

葉状体のものは、すべて匍匐している。区別できる葉はなく、植物体全体が平べったく、幅の狭いリボン状で、先端で枝分かれしながら伸びる。あまり伸びずに枝分かれすれば、円盤状になる場合もある。枝分かれはほとんどの場合、2又分枝である。外見上区別できる構造はないものが多いが、一部には主軸が中肋のような感じで区別できるものがある。

生殖器官は茎の先端や葉の間などに生じ、苞葉に包まれる。造卵器は、さらに花被に囲まれて生じる。胞子のうであるさくは、この中で成熟し、その後で急に柄を伸ばし、胞子を放出する。さくはたいていが球形か楕円形で黒くなり、先端側から大きく4つに裂けるものが多い。さくの中には胞子とともに弾糸(だんし)という糸状の細胞が多数ある。この弾糸は内部にバネ状の構造があり、乾燥すると伸び縮みして胞子を跳ね飛ばす役割をする。

造卵器が茎の先端や葉の間に造られる場合、さくは白くて柔らかいさく柄を伸ばしてその先端につく。ゼニゴケ類では、植物体からキノコのような傘状の構造を伸ばし、その傘の下面に生殖器官をつける。これを雄器托、雌器托とよぶ。さくは雌器托の傘の下に顔を出す。さくは成熟して初めて姿を見せ、胞子の放出後はすぐに分解するので、観察する機会は少ないのが普通である。

簡単な見分け方