ヒト
生息年代: 0.195–0 Ma
更新世 – 現在
Akha cropped hires.JPG
タイ北部の成人男性(左)と女性(右)
保全状況評価
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
Status iucn3.1 LC.svg
分類
ドメ
イン
: 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
亜界 : 真正後生動物亜界 Eumetazoa
階級なし : 左右相称動物 Bilateria
上門 : 新口動物上門 Deuterostomia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
上綱 : 四肢動物上綱 Tetrapoda
: 哺乳綱 Mammalia
下綱 : 真獣下綱 Eutheria
上目 : 真主齧上目 Euarchontoglires
大目 : 真主獣大目 Euarchonta
: 霊長目 Primate
亜目 : 直鼻猿亜目 Haplorrhini
階級なし : 真猿亜目 Simiiformes
下目 : 狭鼻下目 Catarrhini
上科 : ヒト上科 Hominoidea
: ヒト科 Hominidae
亜科 : ヒト亜科 Homininae
: ヒト族 Hominini
亜族 : ヒト亜族 Hominina
: ヒト属 Homo
: ヒト H. sapiens
学名
Homo sapiens Linnaeus1758
亜種

ヒト: human)、ホモ・サピエンス・サピエンスホモサピエンスサピエンスHomo sapiens sapiens)とは、広義にはヒト亜族Hominina)に属する動物の総称であり[1]、狭義には現生の(現在生きている)人類(学名 : Homo sapiens)を指す[2]人間(にんげん)ともいわれる

「ヒト」はいわゆる「人間」の生物学上の標準和名である。生物学上のとしての存在を指す場合には、カタカナを用いて、こう表記することが多い。

本記事では、ヒトの生物学的側面について述べる。現生の人類(狭義のヒト)に重きを置いて説明するが、その説明にあたって広義のヒトにも言及する。

なお、化石人類を含めた広義のヒトについてはヒト亜族も参照のこと。ヒトの進化については「人類の進化」および「古人類学」の項目を参照のこと。

ヒトの分布図

概説

ヒトとは、いわゆる人間のことで、学名Homo sapiens(ホモ・サピエンス)あるいは Homo sapiens sapiens(ホモ・サピエンス・サピエンス)とされている動物の標準和名である。Homo sapiens は「知恵のある人」という意味である。

古来「人は万物の霊長であり[3]、そのため人は他の動物、さらには他の全ての生物から区別される」という考えは普通に見られるが、生物学的にはそのような判断はない。「ヒトの祖先はサルである」と言われることもあるが、生物学的には(分類学的には)、ヒトはサル目ヒト科ヒト属に属する、と考えられており、「サルから別の生物へ進化した」という説を証明する決定的な証拠はまだない。アフリカ類人猿の一種であるとされ、生物学的に見ると、ヒトにもっとも近いのは大型類人猿である[2]。ヒトと大型類人猿ヒト上科を構成している[4][5]

では、生物学的な方法だけでヒトと類人猿の区別ができるのかと言うと、現生のヒトと類人猿は形態学的には比較的簡単に区別がつくが、DNAの塩基配列では極めて似ており、また早期の猿人の化石も類人猿とヒトとの中間的な形態をしているため、線引き・区別をするための点は明らかではない[2]。結局のところ、「ヒト」というのは、直立二足歩行を行うこと、およびヒト特有の文化を持っていることで、類人猿と線引き・区別しているのである[2]。つまり、実は生物学的な手法・視点だけでは不十分で、結局、他の視点・論点も織り交ぜつつ区別は行われている。

分類学上の位置について言うと、現生人類はホモ・サピエンスに分類されるが[2]、ホモ・サピエンスには現生人類以外にも旧人類も含まれる[2]。 なお現生人類(つまり、現在地球上で生きている人間)はすべてこの種(ヒト)に分類されている。

ヒトの身体的な特徴のかなりの部分(下肢が上肢に比べて大きくて強い、骨盤の幅が広くて大きい、等)は、直立二足歩行を行うことへの適応の結果生じた形質である[2]

直立二足歩行によって、ヒトは体躯に対して際立って大きな頭部を支える事が可能になった。結果、大脳の発達をもたらし、極めて高い知能を得た。加えて上肢が自由になった事により、道具の製作・使用を行うようになり、身ぶり言語と発声・発音言語の発達が起き、文化活動が可能となった[2]

分布は世界中に及び、もっとも広く分布する生物種となっている[2]

ヒトは学習能力が高く、その行動、習性、習慣は非常に多様で、民族文化個人によっても大きく異なるが、同時に一定の類似パターンが見られる[要出典]。また外見などの形質も地域に特化した結果人種コーカソイドモンゴロイドネグロイド等)と形容されるグループに分類される。しかし全ての人種間で完全な交配が可能であり全てヒトという同一種である。統一的な説明はなかなかに難しいため詳細はそれぞれの項目を参照されたい。

特徴

まず、他の哺乳類や類人猿などとの区別を成立させて述べる。

二足歩行

哺乳類ではヒトのみが直立二足歩行を行う。

コミュニケーション能力

声帯が発達しており、(身振りだけでなく)音声音声言語)・手話文字書記言語)によるコミュニケーションを図れる。

音声による会話能力を獲得した年代はホモ属の発生以降で、25万年以上前とされている。この研究は形質人類学言語学考古学などの学問と関連する。ヒトには、言語獲得の能力が生得的に備わっていると考えられており、脳の言語野に損傷を持たない人間は幼児期の短期間に発話の能力を獲得する。

一方で文字の発明は紀元前3500年頃とされており、生物学上の人類史ではごく最近である。しかも初等教育が普及し多くの個体が識字能力を得るようになったのはこの100-300年程度であり、アイヌ語など本来文字が存在しなかった文化・文明もある。アメリカ大陸のイロコイ族は現代まで一万年にわたる口述伝承をなされていたともされる。[6]そのため文字認識の能力は個体差が大きく、発話と同時期に文字の理解能力を得る個体から、成人後も文字の読み書きに困難を抱えるディスレクシアと呼ばれる個体までいる。

音声による会話、視覚による文字とも、時代を経るごとに情報量が増え、表現も多様化・複雑化し、適応した個体と適応していない個体にコミュニケーション能力の差が生じる。

(ヒト以外の、特にサルのコミュニケーション能力については京都大学霊長類研究所[7]の研究が詳しい。)

総体

細かくは後述を参照すべきだが、全体として「大型」「群れる」「中速度で長距離を移動する」「調理された質の良い、多様な食物を食べる」「投擲など自分の体から離れたものを利用する」ことが動物としてのヒトの特徴・生態的地位といえる。