モモ
Autumn Red peaches.jpg
モモ
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots[1]
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots[1]
: バラ目 Rosales[1]
: バラ科 Rosaceae[1]
亜科 : モモ亜科 Amygdaloideae[1]
: モモ属 Amygdalus[1]
: モモ A. persica[1]
学名
Amygdalus persica
L.[1][2]
シノニム

Prunus persica (L.) Batsch[3]

和名
モモ
英名
Peach
もも 生[4]
100 gあたりの栄養価
エネルギー 167 kJ (40 kcal)
10.2 g
食物繊維 1.3 g
0.1 g
0.6 g
ビタミン
チアミン (B1)
(1%)
0.01 mg
リボフラビン (B2)
(1%)
0.01 mg
ナイアシン (B3)
(4%)
0.6 mg
パントテン酸 (B5)
(3%)
0.13 mg
ビタミンB6
(2%)
0.02 mg
葉酸 (B9)
(1%)
5 µg
ビタミンC
(10%)
8 mg
ビタミンE
(5%)
0.7 mg
ミネラル
ナトリウム
(0%)
1 mg
カリウム
(4%)
180 mg
カルシウム
(0%)
4 mg
マグネシウム
(2%)
7 mg
リン
(3%)
18 mg
鉄分
(1%)
0.1 mg
亜鉛
(1%)
0.1 mg
(3%)
0.05 mg
他の成分
水分 88.7 g
水溶性食物繊維 0.6 g
不溶性食物繊維 0.7 g
ビオチン(B7 0.3 µg
有機酸 0.4 g

ビタミンEはα-トコフェロールのみを示した[5]。別名: 毛桃

試料: 白肉種

廃棄部位: 果皮及び核 
%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDIの割合。

モモ(桃、学名は Amygdalus persica L.[1][2]Prunus persica (L.) Batsch はシノニムとなっている[3]。)はバラ科モモ属落葉高木。また、その果実のこと。

概要

には五または多重弁のを咲かせ、には水分が多く甘い球形の果実を実らせる。中国原産。食用・観賞用として世界各地で栽培されている。未成熟な果実や種子にはアミグダリンという青酸配糖体が含まれる。

3月下旬から4月上旬頃に薄桃色の花をつける。「桃の花」は春の季語。桃が咲き始める時期は七十二候において、中国では桃始華日本桃始笑と呼ばれ、それぞれ啓蟄(驚蟄)の初候、次候にあたる。

淡い紅色であるものが多いが、白色から濃紅色まで様々な色のものがある。五弁または多重弁で、多くの雄しべを持つ。花柄は非常に短く、枝に直接着生しているように見える。ハナモモと呼ばれる観賞用の品種(花桃)は源平桃(げんぺいもも)・枝垂れ桃(しだれもも)など。庭木として、あるいは華道切り花として用いられる。

葉は花よりやや遅れて茂る。幅5センチメートル、長さ15センチメートル程度の細長い形で互生し、縁は粗い鋸歯状。湯に入れた桃葉湯は、あせもなど皮膚の炎症に効くとされる。ただし、乾燥していない葉は青酸化合物を含むので換気に十分注意しなければならない。

7月から8月に実る。「桃の実」は秋の季語。球形で縦に割れているのが特徴的。果実は赤みがかった白色の薄い皮に包まれている。皮の表面には毛茸(もうじ)が生えている。果肉は水分を多く含んで柔らかい。水分や糖分、カリウムなどを多く含んでいる。栽培中、病害虫に侵されやすい果物であるため、袋をかけて保護しなければならない手間の掛かる作物である。また、痛みやすく収穫後すぐに軟らかくなるため、賞味期間も短い。生食する他、ジュース(ネクター)や、シロップ漬けにした缶詰も良く見られる。

食用の品種(実桃)の分類を以下に示す。

水蜜(すいみつ)種
一般的な桃。果肉の色は、白色系、黄色系、赤・ピンク系など。皮には柔らかい毛が生えている。
白桃(はくとう)・白鳳(はくほう)系
現在、日本の市場に多く出回っている品種は、「白桃(はくとう)」系と「白鳳(はくほう)」系の桃である。
「あかつき」「暁星」「明星」「ゆうぞら」「川中島白桃」「清水白桃」「まどか」「ちよひめ」「みさかっ娘」、冬に実が熟す「名月」などの品種がある。
※白鳳系は自家受粉により一本でも着果するが、白桃系は異品種との混植を行わないと着果しない。(「清水白桃」は白鳳系なので一本でも着果する[6]
黄桃(おうとう)系
果肉が黄色い桃。缶詰に加工され出回ることが多い。近年、生食用の黄桃「黄金桃(おうごんとう)」「ゴールデンピーチ」の出荷、販売が多くなっている。
ネクタリン(Nectarine)・椿桃(つばいもも・つばきもも)
皮が赤く、毛は、ほとんど無い。果肉は、黄色でやや硬い。「光桃(ひかりもも)」「油桃(あぶらもも)」とも呼ばれる。
蟠桃(ばんとう)
扁平な形をしている。中国神話では、西王母と関連がある。

なお、シラカバ花粉症を持つ人のうち一定割合の人がリンゴやモモなどバラ科の果物を食べた際に咽喉(のど)にアレルギー症状を起こすことが知られている[7]

参考画像

種子・つぼみ

種子の内核は「桃核(とうかく)」あるいは「桃仁(とうにん)」と呼ばれる。

漢方においては血行を改善する薬として婦人病などに用いられる。また、つぼみは「白桃花(はくとうか)」と呼ばれ、利尿薬、便秘薬に使われる。

樹木

割れにくく丈夫であるため、などに利用される。

樹皮

樹皮の煎汁は草木染めの染料として用いられる事がある。

桃の栽培と利用史

原産地は中国西北部の黄河上流の高山地帯。欧州へは紀元前4世紀頃にシルクロードを通り、ペルシア経由で伝わった。英名ピーチ(Peach)は“ペルシア”が語源で、ラテン語のpersicum malum(ペルシアの林檎)から来ている。種小名persica(ペルシアの)も同様の理由による。

日本では長崎県多良見町にある伊木力遺跡から、縄文時代前期の桃核が出土しており、これが日本最古とされている。弥生時代後期には大陸から栽培種が伝来し桃核が大型化し、各時代を通じて出土事例がある。桃は食用のほか祭祀用途にも用いられ、斎串など祭祀遺物と伴出することもある。平安時代 - 鎌倉時代には珍重されていたが、当時の品種はそれほど甘くなく主に薬用・観賞用として用いられていたとする説もある。江戸時代にさらに広まり、『和漢三才図会』では「山城伏見、備前岡山、備後、紀州」が産地として挙げられるほか、諸藩の『産物帳』にはモモの品種数がカキ、ナシに次いで多く、特に陸奥国と尾張国に多いと記されるほど、全国で用いられるに至った[8]明治時代には、甘味の強い水蜜桃系(品種名:上海水蜜桃など)が輸入され、食用として広まった。現在日本で食用に栽培されている品種は、この水蜜桃系を品種改良したものがほとんどである。

春先の温度が低い時期に雨が良く降ると縮葉病に掛かりやすく、実桃の栽培には病害虫の防除が必要である。また果実の収穫前には袋掛けを行わないと蟻やアケビコノハ等の虫や鳥の食害に合うなど(商品価値の高い果実を得ようとするならば)手間暇が掛かり難易度が高い果樹である。

なお、“もも”の語源には諸説あり、「真実(まみ)」より転じたとする説、実の色から「燃実(もえみ)」より転じたとする説、多くの実をつけることから「百(もも)」とする説などがある。