南海電気鉄道株式会社
Nankai Electric Railway Co., Ltd.
ロゴ
Headquarter of Nankai Electric Railway IMG 4898 20130629.JPG
南海なんば第1ビル(本社事務所)
種類 株式会社
市場情報
略称 南海、南海電鉄
南海電(銘柄略称)
本社所在地 日本の旗 日本
556-8503
大阪府大阪市浪速区敷津東二丁目1番41号(南海なんば第1ビル)
本店所在地 542-0076
大阪府大阪市中央区難波五丁目1番60号(南海会館ビル、なんばスカイオ
北緯34度39分49.6秒 東経135度30分3.1秒 / 北緯34.663778度 東経135.500861度 / 34.663778; 135.500861
設立 1925年(大正14年)3月28日
高野山電気鉄道)(※1)
業種 陸運業
法人番号 6120001077499 ウィキデータを編集
事業内容 旅客鉄道事業、土地・建物の売買および賃貸、ショッピングセンターの経営、遊園地など娯楽施設の経営
代表者 遠北光彦代表取締役社長CEO
資本金 729億8365万4121円
2018年9月30日現在[1]
発行済株式総数 1億1340万2446株
(2020年3月31日現在[2]
売上高 連結:2280億1500万円
単独:1045億800万円
(2020年3月期[2]
営業利益 連結:352億2300万円
単独:219億6300万円
(2020年3月期[2]
純利益 連結:218億1900万円
単独:136億1700万円
(2020年3月期[2]
純資産 連結:2560億300万円
単独:1964億2900万円
(2020年3月31日現在[2]
総資産 連結:9250億5800万円
単独:8377億5400万円
(2020年3月31日現在[2]
従業員数 連結:9205人、単独:2639人
(2020年3月31日現在[2]
決算期 3月31日
会計監査人 有限責任あずさ監査法人
主要株主 日本トラスティ・サービス信託銀行(信託口) 5.78%
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 3.38%
日本生命保険 2.19%
JP MORGAN CHASE BANK 385151 1.74%
日本トラスティ・サービス信託銀行(信託口5) 1.61%
三井住友信託銀行 1.34%
三菱UFJ銀行 1.30%
三井住友銀行 1.26%
日本トラスティ・サービス信託銀行(信託口7) 1.21%
池田泉州銀行 1.14%
(2020年3月31日現在[2]
主要子会社 南海グループを参照
関係する人物 松本重太郎
藤田伝三郎
田中市兵衛
根津嘉一郎 (初代)
小原英一
川勝傳
川勝泰司
山中諄
外部リンク https://www.nankai.co.jp/
特記事項:※1:創業は、大阪堺間鉄道が設立された1884年(明治17年)6月16日
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南海電気鉄道株式会社(なんかいでんきてつどう、: Nankai Electric Railway Co., Ltd.)は、大阪難波和歌山関西国際空港高野山などを結ぶ鉄道を経営する会社。総営業キロは154.0km。一般的には「南海」もしくは「南海電鉄」と略されるほか、「南海電車」の呼称がある。日本の大手私鉄の一つである。

本社は大阪市浪速区今宮戎駅北西側に立地する南海なんば第1ビルに所在。鉄道との相乗効果が大きい観光・小売・不動産開発といった多角化事業においても、本社やターミナル駅があるミナミ地区に重点を置いている[3]

東証一部に上場している[4][注釈 1]。高野山への路線を運営していることから全国登山鉄道‰会に加盟している。

純民間資本としては現存する日本最古私鉄である。社名の「南海」は、 - 和歌山間の出願時に紀伊国が属する律令制南海道に因んで名づけられたことに由来し、のちに淡路四国航路との連絡も果たした。2015年に迎えた創業130周年を機に定めたブランドスローガンは「愛が、多すぎる。」[6]。かつてはプロ野球球団(南海ホークス、後の福岡ダイエーホークス、福岡ソフトバンクホークス)や野球場(大阪スタヂアム〈大阪球場〉や中百舌鳥球場、いずれも後に解体)、遊園地(さやま遊園みさき公園)を経営していたが、球団経営からは1988年、遊園地経営からは2020年に撤退した。


歴史

1884年に関西経済界の重鎮であった藤田伝三郎松本重太郎田中市兵衛外山脩造らによって大阪堺間鉄道として設立され、1885年に難波 - 大和川(後に廃止)間を開業した阪堺鉄道を始まりとしている。阪堺鉄道は日本鉄道(半官半民)、東京馬車鉄道に次いで日本で3番目の私鉄として、純民間資本としては日本最初の私鉄[7]として設立され、1883年に廃止された釜石鉱山鉄道の資材を用いて建設された。

1898年に新設会社の南海鉄道が阪堺鉄道の事業を譲り受け、以後も合併により営業地域や規模を広げたが、路線は長らく沿岸部に集中しており、南海鉄道の『開通五十年』では日露戦争後の鉄道国有化の時(1906年)、「わが社が国有化されなかったのは当時沿岸部にしか路線がないので軍事的立場から除外されたから」としている[8]。1909年には競合路線を有していた浪速電車軌道を、1915年には同じく阪堺電気軌道を合併した。1920年の原内閣時に再度国有化の話が浮上し、この時前述の阪堺線買収後の赤字気味で今買収されるのは最悪の状態と南海重役の佐々木勇太郎と垂井清右衛門が上京して議会に抗議しに行くほどの事態になったが、彼らの活躍とは無関係に議会が解散してしまいこの話はなかったことにされたという[8]。そして1922年には根津嘉一郎から譲られる形で初めて内陸に伸びる大阪高野鉄道を、1940年には日中戦争激化に伴う交通統制(陸上交通事業調整法)で競合会社の阪和電気鉄道を、太平洋戦争開戦後の1942年には加太電気鉄道を合併した。

1944年に、元阪和電気鉄道の路線を戦時買収運輸通信省に譲渡(阪和線となる)した後、前記の陸上交通事業調整法による戦時企業統合政策で関西急行鉄道(関急)と合併し、近畿日本鉄道となり[注釈 2]、鉄道線は難波営業局、軌道線は天王寺営業局の管轄となった。しかしこの合併は、殆ど接点のない、経緯や社風が全く異なる者同士のものであって、当初から体制に無理が生じていた。当時の関急側の代表者であり、関急成立の立役者である種田虎雄でさえ、「南海との合同だけは、政府から無理強いされたもので、自分が望んだものではなかった」と語っていた。そういう理由もあって、終戦後に難波営業局員主導で分離運動が起こり、1947年に高野下 - 高野山間を運営していた高野山電気鉄道へ旧・南海鉄道の路線を譲渡する形で、南海電気鉄道が発足した(このため法人としての南海電気鉄道の設立日は高野山電気鉄道の設立日である1925年3月28日となっている)。1961年には、貴志川線(2006年に和歌山電鐵へ譲渡)や和歌山軌道線(1971年廃止)を経営していた和歌山電気軌道も統合している。

なお、浪速電車軌道と(初代)阪堺電気軌道の路線については、1980年に南海子会社の(2代)阪堺電気軌道へ譲渡された。

他の在阪の大手私鉄は2016年4月までに阪急阪神ホールディングス近鉄グループホールディングス京阪ホールディングスといった純粋持株会社に移行した。南海は2018年5月時点、在阪の大手私鉄では唯一、純粋持株会社制度を取っておらず、移行の予定もない。

年表

E200型電気機関車E212号機『台日友誼号』 同E213号機『藍武士号』
E200型電気機関車E212号機『台日友誼号』
同E213号機『藍武士号』


社章・コーポレートシンボル

難波駅北口にある「羽車マーク」のモニュメント
土地境界標

初代社章は羽車マークと呼ばれ、前身の阪堺鉄道時代の意匠から車輪の向きを変えて継承したものである[41]車輪羽根)が生えたデザインはヨーロッパ諸国の国営鉄道の紋章によく見られるものだが、南海がヨーロッパから車両を輸入した際この紋章の「車輪に羽根が生えれば速い」との意匠を気に入り、車輪の向きのみ変えて採用したとされる[42]。1947年6月1日、グレートリングから改称した南海ホークスの球団名も、この「羽根=鳥」にちなんだといわれる[43]。現在でも難波駅の北側入口上には、羽車をかたどったモニュメントが飾られている。

また、南海の各駅に広告が掲示されている「羽車ソース」のマークも、南海の旧社章をモチーフとしたものである[44]

1972年6月1日に制定された2代目の社章(作者・信貴徳三)は、旧社章の「羽車」の意匠を残しつつ、当時のコーポレートカラーであった緑色を取り入れ、より直線的なデザインとなった。後述のコーポレートシンボル制定後も株主優待乗車証や土地境界標などにおいて、正式な社章として使用が継続されている。

関西国際空港の開港を翌年に控えた1993年4月1日に、CI導入による「NANKAI」を表したコーポレートシンボルを制定した(作者・レイ吉村[15]。コーポレートカラーも、緑色からファインレッドとブライトオレンジの組み合わせへ変更した[15]。イメージとしては、総合生活企業として未来に向けて力強く羽ばたいていく姿勢を表現している[15][45]阪堺電気軌道和歌山バスなどの子会社に関しても、導入時期は多少遅れながらもこのロゴマークを親会社に追随して導入している。ただし、阪堺電気軌道の正式な社章は、現在も親会社の2代目の社章に近いデザインとなっている。

路線

以下の各路線を有し、南海本線とその支線群(本線群扱いである空港線を除く)を南海線と総称している。南海線の各支線は「高師浜支線」というように「…支線」と称していたが、天王寺支線が廃止された1993年から空港線が開業した1994年頃より単に「…線」と呼ばれることが多くなった。なお、国土交通省監修の『鉄道要覧』には「…線」と記載されている。路線の総延長は154.8km。南海本線・空港線および高野線が主要路線である。

現有路線

難波駅(なんばスカイオ竣工前)

駅ナンバリングの路線記号はすべてNK (NK)

路線図(クリックで拡大)

廃止・譲渡路線

計画路線

なにわ筋線

  • 新今宮 - (仮称)西本町 - (仮称)北梅田(大阪駅

新大阪と難波を結んで関空アクセスの利便性を高める路線として1980年代からなにわ筋線の計画があった。長らく構想自体が停滞していたが、2017年3月、大阪府と大阪市、JR西日本、南海電気鉄道、阪急電鉄の5者が新たな事業計画で大筋合意したと報じられた[46]

同年5月には、JR難波駅 - (仮称)西本町駅 - (仮称)中之島駅 -(仮称)北梅田駅(大阪駅)間および、南海新今宮駅 - (仮称)南海新難波駅 - (仮称)西本町駅 - (仮称)中之島駅 - 北梅田駅(大阪駅)間を第三セクターが整備(建設)し、南海新難波駅、西本町駅、中之島駅および北梅田駅の4駅を新設すること、JR難波 - 北梅田間をJR西日本、新今宮 - 北梅田間を南海が営業主体となって営業する(西本町 - 北梅田間はJR西日本・南海が共同営業)こと、2031年春の開業を目標としていることが5者から発表された[47][48]。大半が地下線で、南海は新今宮駅から南海本線に乗り入れる[47]。阪急も北梅田駅 - 十三駅間を結ぶなにわ筋連絡線の新設を調査・検討するとしており[48]、なにわ筋線と直通運転する協議を進める[47]

なにわ筋線計画が具体化したことにより、悲願であった「梅田進出」がかなう。過去3度、梅田までの延伸を申請していたが、いずれも大阪市に却下。また競合するJR西日本が難色を示したことで断念していた[49]

優等列車

南海電鉄では優等列車として特急列車を運行しており、系統に応じて下記の愛称がある。

  1. ラピート 南海本線空港線を走る関西国際空港への連絡列車。
  2. サザン 南海本線・和歌山港線での速達列車。南海フェリー徳島航路との接続列車でもある。
  3. こうや 高野線を走る高野山への観光列車。
  4. りんかん 高野線を走る近郊特急。
  5. 泉北ライナー 高野線と泉北高速鉄道線とを結ぶ直通特急。準大手私鉄5社での有料特急運転は初の事例となった。
  • 「ラピート」「こうや」「りんかん」「泉北ライナー」は全車座席指定、「サザン」は一部座席指定である。
  • 2005年以降、車掌の携帯端末で特急券(座席指定券)の情報を確認するため、車内改札は原則として行われない。

特急料金

「サザン」と「天空」は座席指定料金、他は特急料金。大人料金(小児は特記のない限り半額・10円未満切り上げ)。2019年10月1日改定[50]

列車 料金(円) 備考
「ラピート」(レギュラーシート) 520
  • スーパーシートを利用する場合は、距離・区間に関係なく左欄額に特別車両料金210円(大人・小児共通)を加算。
  • 泉佐野 - 関西空港間のみを利用する場合は、レギュラーシートに限り左欄に関係なく100円。
「サザン」(座席指定料金) 520 自由席車は料金不要。
「天空」(座席指定料金) 520 自由席車は料金不要。
「泉北ライナー」 520 南海線・泉北線を通して、どの区間を利用しても均一料金。
「りんかん」 520
「こうや」 乗車キロ
45 kmまで
520
46 km以上 790

なお、乗り継ぎ料金制度はなく、座席指定特急同士を乗り継ぐ場合(例:天下茶屋駅、新今宮駅または難波駅で「りんかん」から「ラピート」に乗り継ぎ)は、各列車の料金がそれぞれ必要となる。

特急券(座席指定券)の発券方法

前述の通り、南海の特急は「サザン」の自由席車を除き、すべて全車座席指定なので、乗車には乗車券のほかに特急券(座席指定券)が必要になる。

「ラピート」「こうや」「りんかん」の特急券、「サザン」の座席指定券は1か月前から駅窓口(窓口でも定期券を発売している駅のみ)のほか、南海国際旅行や日本国内の主要旅行代理店で購入可能である(「泉北ライナー」については南海国際旅行や主要旅行代理店での購入はできない)[51]。なお、全特急列車とも、「南海鉄道倶楽部」(旧「NATTS鉄道倶楽部」)の会員であれば、インターネット上および携帯電話からも購入可能である(特急チケットレスサービス)ほか、同サービスによる特急券購入の代金として充当可能な「特急ポイント」の還元という特典も受けられる。なお、駅窓口での発券方法はJR線のマルスと違い、係員が空席情報を見て発券時に一番良いと思われる席を指定する方式である(空いていれば購入者自身で指定できる)。難波駅ではグループ会社の南海国際旅行が特急券・座席指定券の発売を南海より委託されている。

ホーム上には特急用の自動券売機が設置されている。自動券売機での発売開始は列車発車の20分前で、その時点で満席の場合は発売されずその列車には乗車できない。また、自動券売機では現金のみの取り扱いで、紙幣も千円札以外は使えない。ただし、難波駅では通勤の乗車が多くなる夕方以降は係員が一部の特急券自動販売機の側に特急の発車10分前に立って両替や誤購入等旅客の対応にあたっている。

「天空」の座席指定券は上記各列車とは異なり、乗車希望日の10日前から前日まで「天空予約センター」で電話のみの予約受付となっている。

特急列車の号車・座席番号

特急列車の号車番号は、関西空港・和歌山港・高野山・和泉中央方の先頭が1号車で統一されている。

座席番号は数字のみで付番されている。関西空港・和歌山港・高野山・和泉中央方面を向いて左側の窓側を1番として、窓側を奇数、通路側を偶数とする(2013年3月ダイヤ変更までの近鉄特急と同様のルールだが、近鉄とは異なり一部の座席を欠番として車椅子スペースを設置している)。

列車種別

南海電鉄における列車種別は以下の通りである。

上記以外の路線では普通車のみの設定である。-急行-は急行の停車駅の他に、春木駅に追加で停車している。南海本線では空港急行と-急行-および区間急行は行先が違うだけで難波 - 泉佐野駅間の停車駅は同じである[注釈 6]

方向幕・種別幕などの案内表示では、快速急行は「快急」、区間急行は「区急」、準急行は「準急」、普通車は「普通」、各駅停車は「各停」と略して表示される。また一部の案内では空港急行も「空急」と略される。

南海本線系統各線が「普通車」、高野線が「各駅停車」となっているのは、両線の列車が複々線の線路を並行して走る南海本線難波駅 - 天下茶屋駅間において、高野線の列車が走る東側2線の線路にしか今宮戎駅萩ノ茶屋駅のホームがなく、西側2線を走る南海本線の列車はこの2駅をすべて通過するためである。1970年以前は南海本線からの各駅停車(東線ローカル)や高野線からの普通車も存在した。

詳しくは各列車種別および路線の記事を参照。

南海線 停車駅
高野線 停車駅

列車種別の表示

車両先頭の方向幕・種別幕の表示のほか、列車識別灯(通過標識灯)でも大方判別できる。

  • 両側が点灯 - 特急、快速急行、急行、空港急行、区間急行、準急行、回送試運転、団体専用
  • 片側(助士席側)のみ点灯 - 普通車・各駅停車

列車種別の案内色は快速急行以外京阪と同じだが、区間急行と準急行の停車駅の方式が京阪とは逆転している。区間急行が南海の準急行の停車駅方式に準じ、準急が南海の区間急行の停車駅方式に準じている。英語表記も京阪の準急と南海の区間急行が「SUB EXPRESS」、京阪の区間急行と南海の準急行が「SEMI EXPRESS」というように逆転している。

車両

車両基地

南海線検車区

高野線検車区

工場