名古屋鉄道 犬山線
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鶴舞線と相互直通運転する名鉄100系(江南 - 柏森間)
鶴舞線と相互直通運転する名鉄100系(江南 - 柏森間)
概要
系統 犬山方面
起終点 起点:枇杷島分岐点
終点:新鵜沼駅
駅数 17駅
路線記号 IY
ウェブサイト 犬山線
運営
一宮線・犬山線開業 1912年8月6日 (1912-08-06)
関線編入 1926年10月1日 (1926-10-01)(全通)
一宮線一部編入 1941年8月12日 (1941-08-12)
所有者 名古屋電気鉄道→(旧)名古屋鉄道→名岐鉄道→名古屋鉄道
路線諸元
路線総延長 26.8 km (16.7 mi)
軌間 1,067 mm (3 ft 6 in)
電化 直流1,500 V,
架空電車線方式
運行速度 最高110km/h[1]
路線図
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犬山線(いぬやません)は、愛知県清須市枇杷島分岐点から岐阜県各務原市新鵜沼駅までを結ぶ名古屋鉄道(名鉄)の鉄道路線

運賃計算区分はB(運賃計算に用いる距離は営業キロの1.15倍)。すべての駅でmanacaなどの交通系ICカード全国相互利用サービス対応カードが使用できる。

概要

市内電車(後の名古屋市電)で創業した名古屋鉄道の前身・名古屋電気鉄道の初期の郡部線(郊外路線、インターアーバン)であり、名古屋市と愛知県北部のベッドタウン各都市とを結ぶ。

名古屋本線と分岐する枇杷島分岐点には乗降設備が無く、同分岐点を通過する全列車が名鉄名古屋駅方面との直通であり、犬山線と名古屋本線枇杷島分岐点以西(津島線を含む)との乗り換えは東枇杷島駅栄生駅、名鉄名古屋駅のいずれかの駅で行うことになる。

犬山線沿線は清須市西枇杷島町・名古屋市西区(庄内川以北の平田・小田井地区)・北名古屋市岩倉市江南市扶桑町犬山市各務原市、さらに当線からの直通列車の運行される広見線沿線の可児市など名古屋都市圏のベッドタウンが連続しており、付近に競合路線がなく、犬山線に乗客が集中するためラッシュ時の混雑率が非常に高い。

また、可児市から犬山市までの沿線には、日本ライン木曽川)や犬山城日本モンキーパーク明治村リトルワールドなどの観光施設が多数立地しており、犬山線は観光路線としての性格も有している。JR鵜沼駅に隣接する新鵜沼駅でJR高山本線に接続して名古屋と高山本線沿線を短絡することから、2001年までは高山本線直通の特急「北アルプス」が運転され、犬山線内では岩倉駅江南駅犬山駅犬山遊園駅の各特急停車駅に停車していた。

立体交差化の進捗は遅く、2018年現在、西春駅南側の県道交差部と、上小田井駅北側(新川堤防)- 中小田井駅南側、布袋駅付近の上り線のみが立体交差となっており、布袋駅付近の下り線と国道155号(バイパス)との立体交差化工事が行われている。犬山口駅付近の坂をのぞき比較的平坦な土地を行くのでトンネルは一切無く、犬山遊園 - 新鵜沼間の木曽川に架かる犬山橋をのぞいて大きな鉄橋も無い。この犬山橋は、かつて鉄道道路併用橋となっていた。

現在バリアフリー化が終了している駅は新鵜沼駅・犬山駅・扶桑駅柏森駅・江南駅・布袋駅・岩倉駅・徳重・名古屋芸大駅・西春駅・上小田井駅・中小田井駅の10駅。

最高速度は、1968年に当時の名古屋本線と同等の110km/hに引き上げられて以降そのまま推移している。

路線データ

沿線風景

名鉄名古屋駅 - 江南駅は県道名古屋江南線(名草線)とほぼ並行したルートで、江南駅付近で大きくカーブして、江南駅 - 犬山駅は県道一宮犬山線とほぼ並行したルートになっている。

名鉄名古屋駅 - 岩倉駅

上小田井駅に停車中の名鉄車両と名古屋市営地下鉄車両 (2009年8月)

犬山方面に向かう列車は名鉄名古屋駅から4 - 6分ほど走り、名古屋市と清須市西枇杷島町との境界となっている庄内川に架かる鉄橋を渡ると枇杷島分岐点に差し掛かり、右側へカーブしながら勾配を下る。勾配を下り終えたところには名古屋本線西枇杷島駅構内へとつながるデルタ線が分岐する下砂杁(しもすいり)信号場があり、河和駅・内海駅 - 名鉄名古屋駅間の一部特別車特急に使われる車両などが同信号所の下り線側にある側線まで回送されてきて折り返している。なお上り線の下砂杁信号場手前には、速度超過防止ATSの照査速度をそのまま表示した98km/hという速度制限標識が存在する。通常の書式で制限速度が5km/hの倍数ではない速度制限標識は珍しい。

同信号所を過ぎると下小田井駅で、同駅の先では国道22号名古屋高速6号清須線の下をくぐる。優等列車の速度はこのあたりで105km/hまで上がる。再び名古屋市西区に入り、高架に上がると、中小田井駅。同駅の先で上下線は離れ、上り線は名古屋市営地下鉄鶴舞線を乗り越すため、線路の位置がやや高くなり、左にカーブする。東海交通事業城北線をくぐりながら県道名古屋江南線を乗り越すと、右手から鶴舞線が上下線の間に割り込むような形で合流し、鶴舞線との乗り換え駅で快速急行停車駅の上小田井駅に到着。一部の鶴舞線列車はここから犬山線に直通する。同駅では上を名古屋第二環状自動車道、下を国道302号が交差している。直通列車の車両長が異なるため、この駅から犬山までの各駅に専用の停車位置表示が線路上に設置されている。

上小田井駅を出ると一度地上に降りるが、しばらくして県道62号と立体交差するために再び高架となり、北名古屋市に入る。県道を乗り越えると再び地上に降り、北名古屋市の玄関駅で快速急行停車駅の西春駅となる。同駅は東側から県営名古屋空港への連絡バスが30分間隔で出ている。また、同駅は島式ホーム2面4線で、名鉄名古屋方面と直通の普通列車の約半数はここでミュースカイ・快速特急・特急の通過待ちをする。セントレア開港前は特急も一部列車停車していた。

次の徳重・名古屋芸大駅名古屋芸術大学愛知県立西春高等学校への最寄り駅で、これらへの通学生の利用も多い。同駅の北側では五条川を渡る。川沿いにはが植えられており、春先には美しい桜並木を見ることができる。川を渡ると岩倉市に入り、大山寺駅を経て左にカーブし、あとは直線で住宅地の中を進む。県道の陸橋をくぐるとまもなく、岩倉市の玄関駅でありミュースカイ停車駅の岩倉駅となる。同駅は、島式ホーム2面4線で北側に6両編成対応の引上線があり、名鉄名古屋方面と直通する普通の約半数とほとんどの地下鉄鶴舞線直通列車はここで折り返す。また、準急は同駅以北では各駅に停車する。同駅ではかつて、小牧駅までの岩倉支線東一宮駅までの一宮線が分岐していたが、いずれも廃線となり、バスに転換されている。駅東口は2007年から2009年にかけて駅再開発工事が行われ、駅前広場とビル・マンションが建設された。

岩倉駅 - 新鵜沼駅

鉄道専用となった犬山橋 (2009年7月)

岩倉駅を出るとS字にカーブして北上する。国道155号(旧道)の踏切を越え、名神高速道路をくぐる手前に石仏駅があり、さらに北上する。このあたりはもともと田園地帯で当線では最も線形が良好な区間であり、特急や急行(6000系をのぞく)は最高110km/hで快走する。

石仏駅の北方で一宮市を少し通ったのちに江南市に入り国道155号(バイパス)と交差した後にあるのが快速急行停車駅の布袋駅である。布袋駅附近では国道155号を越える高架化工事が開始された。布袋駅北東の線路隣接地に愛知県立尾北高等学校があり、尾北高校の脇を抜けて北上すると西方にコンクリート製の大仏が見える。これは布袋の大仏で、個人が所有する大仏ではかなり大きい部類に入り東大寺のそれより背が2m高い。市街地に入り右にカーブするとミュースカイ停車駅の江南駅である。江南駅は江南市の中心駅で、犬山線では乗降客数が最も多い。江南駅から徒歩圏内に愛知県立の愛知県立江南高等学校愛知県立古知野高等学校、私立の中高一貫校滝中学校・高等学校があり、駅前から愛知江南短期大学のスクールバスや病院敷地内に看護学校を併設している江南厚生病院行きの名鉄バスが発着しており、高校生・短大生・看護学生などの利用が多い。 さらに右にカーブししばらく直線が続き、江南自動車学校を過ぎてしばらくすると扶桑町に入り、快速特急停車駅の柏森駅である。最近までは地上駅であったが橋上駅舎に改築され、バリアフリー化された。左にカーブしながら柏森駅を発車すると前方には各務原の山が見え、しばらくすると快速急行停車駅の扶桑駅、右にカーブして直線区間の木津用水駅となる。ここから犬山市に入り上り坂になる。カーブして坂を上りきったところに犬山口駅がある。

犬山口駅から左へカーブして小牧線広見線が合流すると犬山駅である。犬山駅は3面6線の構内で犬山検車区も広見線側に併設されている運転上の拠点であり、列車が頻繁に発着する。犬山線の普通電車は犬山駅を始発・終着とするものが多く、地下鉄鶴舞線直通電車も犬山駅以北には通常は運行されない。また、各務原線名鉄岐阜駅発着の電車も岩倉・名古屋方面からの直通は少なく、犬山駅を始発・終着とするものが多く、小牧線平安通駅発着の電車の全部、広見線新可児駅発着の多くの普通電車も犬山駅を始発・終着としている。つまり犬山駅は4方向の電車の始発・終着駅としての機能を有している。犬山駅は犬山市の中心駅であるとともに観光の拠点駅となっており、駅東口から明治村リトルワールド日本モンキーパークへのバスも発着し、駅西口から犬山城への徒歩街道(犬山城下町通り)も整備された。

犬山駅を出ると2分ほどでミュースカイ停車駅の犬山遊園駅に到着。元々は日本モンキーパークへのアクセス駅で2008年12月までモンキーパーク園内行きの犬山モノレールが発着していたが、老朽化のため廃止され、モンキーパークへのアクセスは犬山駅東口からバス利用となっている。成田山(名古屋別院)、犬山鵜飼乗船場、および名鉄犬山ホテルへは犬山遊園駅から徒歩。犬山城へも同駅から木曽川沿いの桜並木道(犬山ホテル北側)などを通って徒歩で行くことが可能。また、犬山遊園駅では必ず同じホームに同じ方向の電車が発着するので、新鵜沼駅 - 名鉄名古屋駅方面の電車と犬山駅 - 名鉄岐阜駅方面の電車との乗り換えにも用いられる。さらに進むと犬山橋木曽川を渡る。この橋はかつては路面電車のように道路に線路が敷設されていて、しかもその道路は1975年3月の名濃バイパス(現在の国道41号)の開通までは、名古屋市から高山市などを通って富山市とを結ぶ国道41号であった。電車の通行が車の通行の妨げとなり、また車の渋滞で電車の通行の妨げとなることも多かったが、2000年3月道路専用橋「ツインブリッジ」の完成により、旧橋は電車専用の鉄橋になった。専用化後は大改装が行われ、道路上に線路が敷設されていた当時の面影はほとんど残っていない。

犬山橋を渡り終えると岐阜県各務原市に入りまもなく新鵜沼駅に到着する。2010年までは駅手前からJR高山本線へと繋がる単線の連絡線が右に分岐していた。この線路は2001年に運行取りやめとなった名古屋 - JR高山駅の直通特急「北アルプス」が1日1往復通っていた。連絡線は「北アルプス」廃止後もしばらく残されていたが、現在は線路やポイントなどが完全に撤去され、線路跡地はホーム増設用地および道路用地と建売住宅用地に転用され、当時の面影は残っていない。「犬山線」としては新鵜沼駅が終点で、名鉄名古屋駅方面から来た特急や急行などの多くの列車がこの駅で折り返しているが、犬山駅発の急行や普通は早朝の一部をのぞいてそのまま各務原線へと直通していく。

運行形態

名鉄名古屋方面との直通が基本で、上小田井駅から名古屋市営地下鉄鶴舞線に直通する列車もある。また名古屋方面と各務原線広見線との直通運転も行っているが、名古屋方面と各務原線との直通運転は2008年12月27日のダイヤ改正以後は減少した。

岩倉駅・布袋駅・柏森駅扶桑駅犬山駅新鵜沼駅では列車の折り返しが可能であるが、犬山駅の折返し設備を除きほとんどが上小田井・名古屋方面向きのみである。線内で利用者最多の江南駅には折り返し設備・待避線が無い。2018年からは下小田井駅から岩倉・犬山方面への折り返しができるようになっているが、実際に使われたことはまだない。

列車種別はミュースカイ快速特急特急快速急行急行準急普通の7種類である。ミュースカイ・快速特急・特急については「名鉄特急」も参照のこと。

日中の運行パターン
種別\駅名 始発駅 神宮前 金山 名鉄名古屋 枇杷島分岐点 上小田井 岩倉 柏森 犬山 犬山遊園 新鵜沼 新那加 名鉄岐阜 本数
名古屋本線 犬山線 各務原線
運行範囲 ミュースカイ 中部国際空港     1本
快速特急 豊橋 (犬山方面のみ運転 →)   片道2本
特急 (← 豊橋方面のみ運転)   片道2本
急行 内海・河和     2本
犬山       2本
準急 中部国際空港   (各駅停車区間) →新可児 2本
普通 東岡崎     2本
    2本
豊田市・赤池 地下鉄 鶴舞線 ←   ※は平日夕方のみ 平日1本
休日2本
犬山     2本

ミュースカイ

全列車が2000系による運行で、大半の列車が新鵜沼駅 - 中部国際空港駅間で全日日中と平日朝下り、同夜上り、土休日朝(6時台上りは除く)、同夜上りは毎時1本が運転される。

朝上りには新可児駅発が平日3本、休日1本があったが、2019年3月16日のダイヤ改正で平日の1本が新鵜沼発の増結にまわされたため実質1本減便された。それに全日三柿野発が1本、いずれも中部国際空港行きが設定されている。なお、いずれも犬山駅で新鵜沼駅・三柿野駅発と新可児駅発を併結する。夜には中部国際空港駅発新可児行きの列車が平日5本、休日4本設定されており、犬山駅まで新鵜沼行きを併結する。平日1本のみ神宮前駅発新鵜沼行きの列車が深夜に1本設定されている。なおこの列車のみ柏森駅にも停車する。

特急・快速特急

一部特別車特急は2007年6月30日のダイヤ改正で本格導入され、2008年12月27日のダイヤ改正で全列車に改められた。名鉄名古屋駅 - 犬山駅間の標準所要時分は快速特急・特急とも25分で、表定速度は68km/hである。犬山駅 - 新鵜沼駅間は駅間が短く各駅に停車するため、終点まで通して見た場合は所要29分、表定速度62km/hとなる。実際のダイヤパターンでは所要時分がさらに1 - 2分長い。なおミュースカイは遅延余裕を加味し犬山 → 名古屋を29分かけて走る。名鉄が全社的にスピードアップを進めていた1997年からの数年間は、特急が新名古屋 - 犬山間を23分で走破していた(同区間がノンストップだった頃と同等)。

一部を除いて新鵜沼駅での折り返し運転を行わず、新鵜沼駅到着後一旦犬山検車区まで回送運転を行う。また、平日の午後などに6両→8両に増結する場合は名鉄名古屋方面から6両で到着した列車が同駅での折り返しの際に名鉄岐阜方に2両増結する場合のほか、同駅で犬山検車場で8両に仕立てられた編成と名鉄名古屋方面から6両で到着した列車が車両交換される場合もある。

2008年12月のダイヤ改正までは1000系4両編成による全車特別車特急も存在していた(基本的な運転区間は新鵜沼駅 - 河和駅・内海駅。他に豊川稲荷駅や常滑駅などを発着する列車もごくわずかに存在)。このほか、1999年から空港線が開業した2005年までは1600系の定期運用が存在した[2] ほか、8800系(パノラマDX)(登場当時は内海駅または河和駅発着。後に西尾線吉良吉田駅発)もごく僅かではあったが乗り入れていた。2001年まではキハ8500系によるJR高山本線直通気動車特急「北アルプス」も犬山線を経由していた(時刻表上は高山駅発着の全車特別車特急の扱いで新鵜沼駅は通過)。

快速特急(一部特別車)
下りのみの運転である。平日朝が毎時1本でそれ以外の時間帯は毎時2本運転される。全列車が新鵜沼駅 - 豊橋駅間で運行される。車両は1200系2200系1700系6両で運転される。ラッシュ時には1800系3100系3150系を増結した8両編成で運行される。
特急(一部特別車)
基本的には新鵜沼駅 - 豊橋駅間の上りで毎時2本運行される。(平日8時台・土休日6-9時台は1本)それ以外の列車として新鵜沼駅 - 中部国際空港駅が平日1往復、土休日下り1本、新鵜沼駅 - 河和駅が平日下り1本、新鵜沼駅 - 内海駅が平日下り2本、同上り1本、新鵜沼駅 - 伊奈駅が平日上り1本、新可児駅 - 豊橋駅が土休日上り3本、犬山駅 - 豊橋駅間が平日下り1本設定されている。車両は

日中は準急と急行が毎時2本ずつ運転されている。原則、運転系統は以下のようになる。

新鵜沼駅 -(急行)- 河和駅または内海駅(河和駅発着と内海駅発着を毎時1往復ずつ交互に運転)
新可児駅 -(普通)- 犬山駅 -(準急)- 中部国際空港駅

快速急行は平日朝ラッシュ時上りのみの種別で内海行きと河和行きの2本が5000系8両編成で運転され、いずれも名鉄名古屋駅で急行に種別変更する。

名古屋 - 岩倉間は前述の一部特別車の特急と合わせてほぼ10分間隔で運転される。かつて上りの一部列車(主に広見線直通列車)は2005年1月改正まで布袋駅・岩倉駅・西春駅のいずれかで新鵜沼駅から来る全車特別車特急に1度だけ追い越されていたが、現在はほとんど待避しない。ただし、平日朝ラッシュ時には下り列車の一部は岩倉駅などで待避することがある。

準急は岩倉駅以北は各駅に停車する。準急が運転される時間帯は平日と休日で異なり、休日は6 - 23時台とほぼ終日であるのに対し、平日は7 - 23時台(上りは8時台から、下りは22時台まで)となっている。なお、犬山駅を越えて運転される列車(岐阜行きおよび新可児行き)はすべて犬山駅で普通に種別変更する(犬山止まりはあるが新鵜沼止まりはない。上りは各務原線から直通の普通が新鵜沼駅から準急になる)ため、犬山駅以南の主要駅ホームの自動放送では犬山駅までの停車駅(全駅)を読み上げた後に「犬山から普通に変わります」と放送している。早朝には岩倉以北普通、岩倉以南急行となる新鵜沼駅発河和行きの列車があるが、停車駅は準急と同一である。

最終の名鉄名古屋駅23:59発の中部国際空港駅発新鵜沼行き急行は東京駅22時発の東海道新幹線最終「ひかり」から接続するダイヤとなっている。なお、上りの最終は岩倉駅以北の急行停車駅は新鵜沼駅発鳴海行き急行であるが、この列車は西春駅で先行する犬山駅発鳴海行き普通を追い越すため、西春駅と上小田井駅からの名鉄名古屋方面への最終は鳴海行き普通である。

平日朝には地下鉄鶴舞線からの急行が岩倉駅まで2本、犬山駅まで3本、いずれも下りにのみ設定されている(折り返しはすべて普通)。使用車両はすべて名古屋市所有の3000形3050形、またはN3000形電車で、名鉄所有の100系による運用は設定されていない。

2008年12月改正まで、急行・準急と犬山駅発着の普通(地下鉄直通含む)は岩倉駅で接続をとっていたが、現在では基本のダイヤパターンでは上小田井駅での同駅折り返しの鶴舞線電車との接続を除き、準急と岩倉駅折り返しの名鉄名古屋方面直通の普通が接続するのみ(休日のみ西春駅で地下鉄直通の普通とも接続する)となり、急行は途中駅で普通と接続しなくなった。

犬山駅における各線との接続時分は、各務原線へは急行で8 - 9分ほど、準急で6 - 7分ほどで、小牧線へは急行・準急とも下りは11 - 12分ほど(上りは7分ほど)で、広見線へは急行で4 - 6分ほどとなっている。また、原則として広見線に直通する準急は犬山駅で後続の快速特急・特急に接続するために5分ほど停車する。

朝のみに設定されている、各務原線に直通する列車は、金山駅・神宮前駅・名鉄名古屋駅・栄生駅で行う駅員や車掌による放送では「犬山方面行き」とのみ案内される。神宮前駅以東では普通に「名古屋方面の犬山経由岐阜行き」と放送されるほか、神宮前駅、金山駅の駅自動放送では「名古屋、犬山方面の犬山経由岐阜行き」と放送される。これは名古屋本線一宮経由の岐阜行きも頻繁に発着しており、誤乗を避けるためである。なお、2008年12月のダイヤ改正までは各務原線直通の準急・急行が終日設定されていた(誤乗が多いと苦情があり直通を中止)。2000年3月改正までは終日全区間通しで急行運転を行っていたが、同改正で全区間急行運転するのは朝と夕方以降のみとなり、昼は三柿野駅 - 岐阜駅間で普通として運転されるようになり、さらに翌年10月の改正以降は昼間は各務原線内全区間で普通として運転されていた。また、2008年12月改正前までは、昼間は上りは河和駅・内海駅 - 新可児駅(新可児駅で御嵩駅発の普通から接続)と中部国際空港駅 - 名鉄岐阜駅(各務原線経由)、下りは河和駅・内海駅 - 名鉄岐阜駅(各務原線経由)と中部国際空港駅 - 新可児駅(新可児駅で普通御嵩駅行きに接続)という折り返しパターンだった。

広見線直通系統は2008年6月29日改正までは平日の夕ラッシュ時には御嵩駅まで直通していたが、同改正をもって新可児駅 - 御嵩駅間が終日同区間内での折り返し運転(朝10時以降は全列車ワンマン運転)に変更されたため直通運用は廃止された。また、2003年3月27日改正までは全日ともほぼ終日御嵩駅までの直通列車が設定されていた(直通しない場合、終点の新可児駅または明智駅で御嵩行きに接続)。

広見線・各務原線に直通する急行または準急が犬山から普通になる場合、大抵犬山駅で切り離しを行う(8両の場合はすべて。6両の場合、岐阜行きは一部のみ)。その切り離した列車を各務原線の名鉄岐阜駅行きや広見線の新可児駅行きにすることもあるが、車内での案内はなく、基本的に「前(後)○両は犬山止まりです」という案内のみ行う。ただし、変わる場合は犬山駅到着直前に案内放送が流れる。

急行は平日の昼と夜および休日の一部列車を除き6両編成(平日の夕ラッシュ時はすべて6両で運転)、準急は平日朝の下りと夕ラッシュ時の列車と休日の一部の列車が6両となる[3] ほかは4両編成での運転が基本となっているが、一部の急行が4両で運転されている。4両での運転は昼間のほか、深夜の時間帯にも見られるが、特に深夜の下りは上小田井駅 - 岩倉駅間で混雑することが多い。なお、平日の急行は昼間帯が4両で運転されるのに対して前述のとおり夕ラッシュ時はすべて6両での運転となるため、新鵜沼駅・河和駅・内海駅で車両交換を行うことも多い。

急行の使用車両は3ドアの通勤形各種が混用されているが、6両編成の列車には6000系列または3500系3300系などが使用される。 2019年3月改正以前は、休日には5300系または5700系4両編成での運行が下り1本のみ設定されていた。準急は完全に3ドアの通勤形による運用で、平日の運用は6000系列5運用と3000系列3運用で構成され、この中には6000系の蒲郡線・広見線ワンマン仕様車による間合い運用が存在する。休日は6000系列4運用と3000系列3運用と5000系1運用で構成される。なお、2011年3月改正以前は平日にも昼間帯に限り5000系による運用が2運用分設定されていたほか、3000系列主体で運用が構成されていた。 また、急行・準急とも5000系が就役した2008年春まではパノラマカーの6両編成も多数使用されていた。

早朝には平日に豊川稲荷行きと河和行き(いずれも新鵜沼駅発)、休日に伊奈駅発犬山行きで一部特別車特急用の車両による急行運用が存在する。河和行きは1200系、豊川稲荷行きと犬山行きは2200系で運転され、犬山行きが8両である以外は6両での運転で、いずれの場合も特別車2両は締切扱いとなっている。

所要時分は名鉄名古屋 - 犬山間を急行で32分、準急で36分前後である。1990年代には28分まで短縮したこともあった(栄生駅と上小田井駅と扶桑駅を通過し、途中駅で待避をしない場合)が、現在は余裕のあるダイヤとなっている。また、名古屋本線に所属する栄生駅は快速急行は通過し、急行と準急は停車する。2005年までの急行は朝は(休日のみ)栄生駅と扶桑駅の両方を通過し、昼間は栄生駅に停車、夕方ラッシュ時は両方に停車、夜は扶桑駅に停車していた。他に、平日朝ラッシュ時には、普通列車を補完するために下小田井駅中小田井駅に特別停車する急行もある。1993年までは徳重駅(現・徳重・名古屋芸大駅)に停車する準急(1990年10月改正からは急行の特別停車)もあったが、現在、同駅には優等列車は1本も停車しない。

毎年8月10日に各務原市で行われる「日本ライン夏まつり」の時には新鵜沼駅発岩倉行き急行が臨時列車として運転される場合もある。

ミュースカイを除く全特急列車が一部特別車化される以前は平日の夕ラッシュ時の下りの急行は混雑率が高かったため、下りのみ1本増発(2005年1月改正まで。晩年は神宮前駅始発で新名古屋駅発で18時台にのみ、2003年3月改正までは東岡崎駅始発[4] で新名古屋駅発で17、18時台に。行き先はいずれも新鵜沼行き)されたり、太田川駅(1994年3月改正から2000年3月改正までは豊橋駅)→犬山駅間で8両に増結(2008年12月改正まで)されたりしていた。このほか、2008年6月改正までは平日朝に犬山経由岐阜・新可児行き急行、同年12月改正までは平日の夕方に中部国際空港(空港線開業までは常滑行き)・内海行き準急(名鉄名古屋駅からは急行。2005年1月改正までは犬山線内も急行として運転)が設定され、いずれも8両での運転でそれぞれ犬山駅と太田川駅で分割していた。

普通

名古屋方面の列車は1時間当たり、岩倉駅 - 東岡崎駅間が2往復、犬山駅 - 東岡崎駅間が2往復の設定である。深夜の列車は豊明駅鳴海駅までの運転となる。犬山駅発着のものは西春駅で快速特急・特急の通過待ちを行うのを基本とし、岩倉駅折り返しのものは、岩倉駅で準急と接続し、半数は西春駅でミュースカイの通過待ちをするのが基本となっている。

深夜には、平日・休日とも犬山駅発新鵜沼行きという、わずか2区間のみの列車が片道1本のみ設定されている。この列車は犬山駅で中部国際空港駅発新可児行き準急[5] と接続し、一部特別車編成の6両編成[6] で運転されている。この1本のほか、休日の早朝には2200系による新鵜沼駅発河和行き普通(名鉄名古屋駅からは急行となり、知多半田駅で再度普通に種別変更)が1本設定されている。いずれの列車も特別車2両は締切扱いとなっている。

早朝には、岩倉駅 - 下小田井駅の各駅から名古屋方面への始発列車でもある岩倉駅5:21発中部国際空港行きが設定されている。この列車は名鉄名古屋駅で準急に種別変更する(この列車は空港線が開業した2005年1月改正で設定され、当初は急行であった)。これ以外にも、平日の朝には名鉄名古屋駅で準急に種別変更する岩倉駅発中部国際空港行きがもう1本設定されているほか、名鉄名古屋駅から急行となる各務原線岐阜駅発豊橋行きと岩倉駅発豊明行きが各1本設定されている。特に豊橋行きのものは始発駅から急行に種別変更をした後の停車駅である新安城駅まで後続の列車に抜かされずに先着するダイヤが組まれている。

地下鉄鶴舞線直通列車は岩倉駅までの運転が基本であるが、平日の夕方は柏森駅まで、朝と夜は犬山駅まで区間延長される。また、平日朝には扶桑駅発着の列車が1往復設定されている。快速急行・急行・準急が上小田井駅に停車して鶴舞線と接続するので、犬山線内の鶴舞線直通の普通電車の利用者は余り多くない。運転本数は平日の昼間は1時間に1本、休日と平日の夕方は毎時2本となる。また、平日朝は運転本数がこれより増加する。上り方は赤池駅または豊田市駅まで運転され、犬山駅から豊田市駅までの長距離各駅停車も運転されることがある。基本的に岩倉駅で快速特急・特急と接続するダイヤが組まれているが、平日夕方の柏森駅発着のものは布袋駅で快速特急・特急の通過待ちを行う。また、休日の列車はほとんどが西春駅で準急を待避する(平日は上小田井駅で準急と接続する)。1999年までは朝ラッシュ時、大山寺駅や徳重駅(現・徳重・名古屋芸大駅)を通過する列車があった。また、上小田井駅が急行停車駅となった2001年10月改正までは犬山駅発着と岩倉駅発着が毎時2往復ずつ設定され、上小田井駅 - 岩倉駅間では昼間でも新名古屋方面(当時)直通のものと合わせて普通が毎時8往復運転されていた。

地下鉄直通はすべて20m4扉車の6両であるが、名古屋方面の普通は3扉4両が基本ではあるが2両だったり6両だったりとバラバラである。近年は昼間や夕方・夜間など減車化が目立ち、昼間は3100系などによる2両編成での運用も多い。夕方(この時間帯の2両での運行は休日のみ)や夜間の時間帯でも2両編成で運行されることがある。そのため夜間帯などでは上小田井駅で6両の地下鉄車から2両の普通に乗り換えることになり、朝のラッシュ並みに混雑することがある。6両での運行は主に平日の朝のラッシュ時間帯のほか、昼過ぎの下り犬山行きで見られ、後者は6000系列や3000系列で運行され、犬山駅到着後、そのまま新鵜沼駅まで回送され、新鵜沼駅に到着後、折り返し急行河和行きか内海行きとなるパターンが多い。なお、SR車による運用が存在するほか、岩倉駅以北の急行通過駅や大山寺駅以南の各駅における上り名鉄名古屋方面への最終である犬山駅発鳴海行き普通は1800系または1850系2両編成で運転されている。

2008年12月改正までは鶴舞線直通も犬山駅までの直通が基本となっていて、岩倉駅 - 犬山駅間では、名鉄名古屋方面 - 犬山駅間の普通と合わせて毎時4本の設定で岩倉駅で急行・準急のいずれかと緩急接続するダイヤが基本だった。同改正以降、準急が岩倉以北各駅停車となっているため、岩倉 - 犬山間で普通が毎時4本運転される時間帯は少なくなっている。また、急行と普通の緩急接続も少なくなった。

犬山駅 - 新鵜沼駅間は全列車が各駅に停車するが、昼間の普通列車は岐阜行きと犬山行きの毎時各2本のみである。基本的には犬山駅または新鵜沼駅で特急・急行に相互接続が行われている。犬山駅・新鵜沼駅では構内の階段の昇降を要するので、階段の昇降不要な犬山遊園駅での乗り換えも可能である。

日本ライン夏まつりのときなどは通常犬山止まりの名古屋・小牧方面からの普通が新鵜沼まで臨時に延長運転される。2009年 - 2011年の8月の日本ライン夏まつりの時は岩倉駅 - 犬山駅間は臨時列車扱いで、岩倉発岐阜行きの普通が数本運転されていた。

列車種別・停車駅の変遷

1936年8月改正
  • 高山本線直通運転を開始。下呂行き特急を1往復設定(1932年10月8日改正、高山本線との直通運転は戦時中に廃止)。
停車駅
1953年6月28日改正
  • 新名古屋駅開業(1941年8月12日改正)。
  • 広見線の起点を犬山駅に変更(1946年3月1日)。
  • 高山本線連絡急行を設定(1950年9月17日改正)。
  • 御嵩口駅 - 御嵩駅間開通(1952年4月1日)。
停車駅
1969年7月6日改正
  • 新鵜沼駅の配線変更により、犬山線と各務原線とで直通運転を開始(1964年3月15日改正)。
  • 犬山線に特急を設定(1965年3月21日改正)。
  • 一宮線廃止(1965年4月25日)
  • 各務原線、広見線に特急を設定(1965年9月15日改正)。
  • 急行列車を廃止し、特急・準急・普通の3種別体制とする(1967年8月22日改正)。
停車駅
1979年7月29日改正
  • 急行を復活(1970年12月25日改正)。
  • 座席指定でない特急を「高速」とし、特急・高速・急行・準急・普通の5種別体制とする(1977年3月20日改正)。
停車駅
1985年3月14日改正
  • 高速を廃止(1982年3月21日改正)。
  • 8800系(パノラマDX)を使用した「デラックス特急」を設定(1984年12月15日改正)。
停車駅
1997年4月5日改正
  • 準急を急行に統合し、デラックス特急・特急・急行・普通の4種別体制とする(1990年10月29日改正)。
  • デラックス特急を廃止(1992年11月24日改正)。
停車駅
2005年1月29日改正
  • 八百津線廃止(2001年10月1日)。
  • 快速特急、快速急行を設定し、準急を復活。快速特急・特急・快速急行・急行・準急・普通の6種別体制とする(ただし各務原線、広見線の快速急行は案内上存在するのみで、実際には設定されていない)。
停車駅
2008年12月27日改正
  • 広見線の快速急行を停車案内から削除(2008年6月29日改正)。
  • ミュースカイを設定。各務原線の快速急行を停車案内から削除。
停車駅
2011年12月17日改正 (現行ダイヤ)
  • 各務原線に快速急行を設定。広見線の快速特急と急行、各務原線の準急を廃止。

愛知県の統計によれば、枇杷島分岐点 - 犬山遊園駅間における2010年度の輸送人員は56,503千人(うち定期37,664千人)、延人キロは692,915千人kmであった[7]

歴史

併用橋時代の犬山橋 (1996年11月)

名古屋電気鉄道が一宮線押切町(廃止) - 西印田間、犬山線岩倉 - 犬山間を1912年までに開業したのが始まり。名古屋電気鉄道は市内線を名古屋市に譲渡することになり、郡部線を新会社の名古屋鉄道に移管した。しかしその後も新名古屋駅(現、名鉄名古屋駅)への延伸が果たせる1941年まで、郡部線の電車が名古屋市電に乗り入れ柳橋駅を発着駅としていた。

名古屋鉄道は関線として犬山からまでの延伸を計画したが、新鵜沼駅までの開業にとどまり、関までの延伸線の免許は1927年に失効した[8]

なお2000年までは、犬山遊園駅 - 新鵜沼駅間に存在する犬山橋が、鉄道に準拠する最後の鉄道道路併用橋として知られていた。現在では並行して道路橋が架けられたため、鉄道専用橋になっている。

年表