画像提供依頼:車内全体の画像、5700系の台車の画像、1990年から1991年まで見られた一部指定席特急で「パノラマSuper」や「白帯車」と連結した時の画像の画像提供をお願いします。2015年5月
名鉄5700系電車
(5300系)
Meitetsu 5700 4cars nagoyakyuzyo.jpg
登場当時の5700系・5300系
基本情報
運用者 名古屋鉄道
製造所 日本車輌製造
製造年 1986年 - 1989年
運用開始 1986年6月24日
運用終了 2019年12月21日
主要諸元
編成 2両編成(5300系)
4両編成(5700系・5300系)
6両編成(5700系)
軌間 1,067 mm
電気方式 直流1,500V
架空電車線方式
最高速度 110 km/h
起動加速度 2.0 km/h/s
減速度(常用) 3.5 km/h/s
減速度(非常) 4.0 km/h/s
車両定員 編成表を参照
自重 編成表を参照
全長 18,900 mm(ク5700[1]・ク5800[1]・モ5300[2]・モ5400[2]
18,830 mm(モ5750[1]・モ5850[1]・サ5600[1]・モ5650[1]・モ5350[2]・モ5450[2]
全幅 2,730 mm[1][2]
全高 3,880 mm(ク5700[1]・ク5800[1]・サ5600[1]・モ5300[2]・モ5450[2]
4,200 mm(モ5750[1]・モ5850[1]・モ5650[1]・モ5350[2]・モ5400[2]
車体 普通鋼
主電動機 東洋電機製造 TDK8225-A[3]
東洋電機製造 TDK8051-A[3]
東洋電機製造 TDK823-A[4]
主電動機出力 150 kW × 4(TDK8225-A…複巻整流子電動機・TDK8051-A…直巻整流子電動機
75 kW × 4(TDK823-A…直巻整流子電動機
制御方式 5700系 : GTO界磁チョッパ制御
5300系 : 界磁添加励磁制御
制動装置 回生ブレーキ併用電磁直通ブレーキ (HSC-R)
保安装置 M式ATS
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名鉄5700系電車(めいてつ5700けいでんしゃ)は、名古屋鉄道(名鉄)が1986年から2019年まで運用した電車である。名鉄名古屋本線を幹線とする急行列車のサービス向上のために登場した車両で、同時に同じ車体で5000系・5200系の機器を一部流用した5300系も増備された。本項では5300系についても同時に記述する。

名鉄の社内では5000系以降の高性能車について「SR車」[注釈 1]と、5700系と5300系について「NSR車」[注釈 2]と呼称している[5]ことに倣い、本項でも5700系登場以前の高性能車については「SR車」と表記し、5700系と5300系だけをまとめる必要がある場合は「NSR車」と表記する。また、特定の編成について記す場合は、豊橋向きの先頭車の車両番号をもって編成呼称とする(例:豊橋向き先頭車の車両番号がク5701の編成であれば「5701編成」)。

登場の経緯

名鉄名古屋本線では、豊橋と岐阜を結ぶ速達列車として特急・急行を運行しており、これらの列車には2扉クロスシート車が運用されていた。1977年以降は特急は7000系7500系が中心となり、高速・急行には主に5000系・5200系5500系などの2扉クロスシート車両が運用されていた。しかし、名鉄では在来車の冷房化改造を全く行わなかった[6]ため、一般利用者にとってはパノラマカー並みに固定窓で冷房を装備した車体を有するAL車[注釈 3]7300系の方がサービスのよい車両であり[8]、非冷房の5000系・5200系は陳腐化が進んでいた[9]。しかし、6000系のような通勤用の車両を急行列車に使用するのは、サービス上不十分とも考えられた[10]

折りしも日本国有鉄道(国鉄)東海道本線では、1986年に分割民営化を見据えて快速列車の大増発を行うことになった[11]。これに対抗すべく、名鉄では新しい急行用の車両を製造することになり、登場したのが5700系である。ただし、当時の名鉄の財政事情では大量に5700系を増備するのは難しかった[11]ため、5700系と同様の車体で、5000系・5200系の台車や電装品を流用した車両として5300系が登場することになった[12]

車両概要

5700系は4両編成で登場し、1989年に一部の編成が中間車を増備して6両編成となった。5300系は4両編成と2両編成が製造された。

5700系は系列中に6形式が、5300系は系列中に4形式が存在する。

ク5700形
5700系の編成において豊橋側の先頭車となる制御車 (Tc1) 。
モ5750形
5700系の編成において中間に組み込まれる電動車 (M1) 。電動車ユニットの豊橋側の車両である。
サ5600形
5700系の編成において中間に組み込まれる付随車 (T) 。
モ5650形
5700系の編成において中間に組み込まれる電動車(M) 。
ク5800形
5700系の編成において岐阜側の先頭車となる制御車 (Tc2) 。
モ5850形
5700系の編成において中間に組み込まれる電動車 (M2) 。電動車ユニットの岐阜側の車両である。
モ5300形
5300系の編成において豊橋側の先頭車となる制御電動車 (Mc1) 。
モ5350形
5300系の編成において中間に組み込まれる電動車 (M2) 。
モ5450形
5300系の編成において中間に組み込まれる電動車 (M1) 。
モ5400形
5300系の編成において岐阜側の先頭車となる制御電動車 (Mc2) 。

本節では以下、登場当時の仕様を基本として記述し、増備途上での変更点については別途節を設けて記述する。更新による変更については沿革で後述する。編成については、編成表を参照のこと。

車体

先頭車は車体長18,150mm・全長18,900mm[9]、中間車は車体長18,100mm・全長18,830mm[9]で、車体幅は2,730mm[9]である。車体は普通鋼製で、屋根板と床板はステンレス板を使用した[10]。レール上面から床面までの高さは1,110mmである[9]

前面は後方に傾斜した流線型で[13]、大きなフロントガラスを使用した非貫通式の左右非対称スタイルとし[14]、客室から前方視界が広がるように配慮した[10]。ガラスは熱線ヒーター入りとした上で大型ワイパーも設置し、雨天時にも良好な視界が確保されるように考慮した[9]

客用扉は片側2ヶ所に幅1,400mm・高さ1,808mmの両開き扉を配置し[9]、ラッシュ時におけるスムーズな乗降を考慮した[10]。側面窓はパノラマカーと同様の固定窓(連続窓)で[9]、車端部のロングシート部分のみバランサー付き下降窓とした[9]。客用扉の窓にはフィルム入り合わせガラスを使用し、直射日光をやわらげるようにした[15]

先頭部分と側面窓上中央部には幕式の種別・行先表示器が設けられた[10]

車体の塗装デザインはスカーレット1色で[15]、耐候性や光沢に優れるフッ素樹脂塗料を使用した[10]

内装

運転台直後の客室。写真で見て右側の座席は親子3人でも座れるよう幅が広い

車内は主として転換クロスシートを配置し、連結面側車端部にはロングシートを配置した[15]

転換クロスシートのシートピッチは900mmで[13]、乗務員室車掌側直後の2脚については幅を1,085mmと広くして[16]、親子3人でも座れるようにした[16]ほか、後列の座席については若干高くした[17]。また、出入り口付近には肘掛つきの折り畳み式補助座席を設けている[17]。この座席は自動的に収納されるようにコイルばねとダンパを設けている[15]ほか、ラッシュ時には乗務員室からの操作でロックさせ、使用できないようにすることが可能である[15]。使用可能な状態の際には補助座席のLED表示灯が点灯する[10]

乗務員室直後の客室上部にはデジタルLED式の速度計を取り付けた[18]。室内灯は平面グローブ付きとして[15]、天井に2列の配置とした[15]

室内の配色については、天井をクリーム色[15]、壁面はベージュとして側面をレンガ模様・妻面を花柄模様とした[15]。床面はワインレッドブラウン[15]、床中央をワインレッドとした[3]。座席の表地の色はスカーレットとした[15]

乗務員室の機器配置は既存のSR車と同様として誤操作防止を図った[19]ほか、運転台以外は前面展望の妨げにならないように機器をすべて収納した上で無反射塗装を施した[19]

主要機器

電装品等

5700系

5700系では、機器類は6500系と同様のものとした[3]

制御装置は製造コストの低減を図るため[15]、1台の制御器で8基の電動機の制御を行う方式 (1C8M) の多段制御装置とした[15]。採用されたのは東芝製の回生ブレーキ併用GTO界磁チョッパ制御方式の主制御器であるPE39C形である[3]。7000系との連結運転を行うため、車両性能は7000系に合わせている[15]

主電動機については、東洋電機製造製の直流複巻補極補償巻線付電動機のTDK-8225A形が採用された[3]。主電動機の出力は150kWである[20]。駆動方式は中空軸平行カルダン駆動方式で、歯数比は82:17=4.82である[9]制動装置(ブレーキ)については、他のSR車との連結のため、回生ブレーキ併用のHSC-R形電磁直通ブレーキが採用された[19]

台車は、住友金属工業製のSU形ミンデン式の空気ばね台車が採用された[3]。電動台車がFS521A形で[1]基礎制動装置はシングル式(片押し式)[19]、付随台車がFS098A形で[1]基礎制動装置はクラスプ式(両抱え式)である[19]

集電装置(パンタグラフ)はモ5750形・モ5850形に搭載した[3]

5300系
5000系・5200系から流用したFS315形台車

5300系では、一部機器や台車を5000系・5200系から流用した[21]

制御装置は三菱電機製のABFM108-15MRH形を新製した[4]。界磁添加励磁制御方式を採用し[15]、回生ブレーキを付加しており[22]、1台の制御器で8基の電動機の制御を行う方式 (1C8M) である[15]

主電動機については、5000系・5200系から流用した東洋電機製造製の直流直巻整流子電動機のTDK823-A形を使用した[4]。主電動機の出力は75kWである[22]。駆動方式は中空軸平行カルダン駆動方式で、歯数比は78:16=4.875である[2]。制動装置(ブレーキ)については、HSC-R形電磁直通ブレーキが採用された[2]

台車は5000系・5200系から流用した金属ばね台車である[4]。先頭車には住友金属工業製のアルストムリンク式軸箱支持方式の金属ばね台車であるFS307A形台車を[23]、中間車には住友金属工業製軸ばね式軸箱支持方式のFS315形台車を使用した[22]

集電装置(パンタグラフ)はモ5350形・モ5400形に搭載した[16]

その他機器

冷房装置は、15,000kcal/hの能力を有するRPU-4002形を1両につき2台搭載した[9]

補助電源装置は、出力70kVAのブースタ方式静止型インバータ (SIV) を採用し[19]、ク5700形・モ5850形・モ5300形・モ5450形に搭載した[15]。1台で2両分の電源供給が可能である[19]。5300系では、制御装置の添加励磁用電源にもSIVから出力された電源を使用する[24]

電動空気圧縮機については、5700系では交流電源による交流電動機駆動のC-1000形を搭載した[9][19]。5300系では5000系・5200系から流用したDH-25形を搭載した[4]

増備途上での変更点

5700系1次車は1986年6月に4両編成が3本[20]、5300系1次車は1986年6月から7月にかけて4両編成が4本製造された[21]

1986年11-12月製造(5300系2次車)