惑星系の想像図。

惑星系(わくせいけい、英語:Planetary system)とは、恒星重力により結合され、複数の天体が公転している構造である。一般的に惑星が1つ、あるいは複数ある場合を示すが、衛星小惑星彗星塵円盤などを惑星系の要素として含める場合もある[1][2]地球がある太陽系も惑星系の一つである[3][4]。太陽系以外、すなわち太陽系外惑星の惑星系は太陽系外惑星系(Exoplanetary system)と呼ばれることもある。

2017年2月22日時点で太陽系外惑星は3579個、確認されている。太陽系外惑星が公転している恒星は2688個であり、そのうち603個は複数の惑星を持つ太陽系外惑星系であることが分かっている[5]

宇宙生物学上、液体の水を有せるハビタブルゾーンは全ての惑星系にあり、その中に惑星があれば、地球に似た環境になるとされている。

歴史

地動説の提唱

コペルニクスが「天球の回転について」に記した太陽系のモデル。

天文学では、長きに渡って地球が宇宙の中心とする天動説が信じられてきた。しかし、西暦1543年にニコラウス・コペルニクスが地球中心ではなく、太陽が中心だとする地動説天球の回転についてという著書で公表された。しかし、当初はなかなか信じられなかったが、その後のガリレオ・ガリレイヨハネス・ケプラーアイザック・ニュートンなどの物理学者や天文学者が地動説が正しいことを示す証拠を発見し、地動説は広く知られるようになった。

太陽系外惑星系の提唱

16世紀に、ローマの修道士だったジョルダーノ・ブルーノは、コペルニクスと同様に、地球は太陽の周囲を巡ると考え、さらに他の恒星も太陽と同じように輝き、そこには地球のような惑星が存在するという見解を示した。しかし、この見解はキリスト教の教えに反するという事で批判を呼び、ブルーノは異端者と扱われた。そして、後に火あぶりの刑に処されてしまう。

18世紀にはニュートンの著書「自然哲学の数学的諸原理」にはブルーノのように惑星系のモデルはどの恒星においても似たモデルになる理論などが記している[6]

彼らの理論は証拠が少なく、そのうえ難解であるにも関わらず、SF作品の題材になったり、地球外知的生命体探査(SETI)の前提にもなっている。

太陽系外惑星の発見

太陽系外で初めて惑星が発見されたのは1992年で、PSR B1257+12というパルサーを公転している惑星の存在が報告された。通常の恒星、いわゆる主系列星を公転している惑星は1995年に発見された。この惑星はベレロフォンという愛称で呼ばれており、主星ペガスス座51番星をわずか4日で公転する木星サイズの惑星だった。この惑星の発見にはドップラー分光法が使用され、その後も様々な方法を使用して発見された太陽系外惑星が数々、見つかることになる。

起源と進化

惑星表面から見た原始惑星系円盤の想像図。

惑星系は、主星が誕生する過程の一部として、主星の周りを巡る原始惑星系円盤から誕生する。惑星系の形成途中に、多くの物質が遠方の軌道へと飛び散り、その物質から出来たいくつかの惑星は、惑星系を離脱して、自由浮遊惑星となる場合がある。

進化した惑星系

高質量星

超大質量星が超新星爆発を起こし、残骸として残るパルサーと呼ばれる天体にも惑星は見つかっている。しかし、超新星爆発の前から存在していた惑星は、爆発時の高温で蒸発、または衝撃波で粉砕される可能性が高い。また、放出されるガスに押されて、軌道が外側に移動する。そのうえ、主星の質量の大部分がなくなってしまっため、惑星系を離脱し、自由浮遊惑星になる可能性もある。現在、パルサーの周りを公転している惑星は、元からあった惑星が蒸発・粉砕された後に残った残骸で形成されているかもしれない。パルサーが非常に強い重力を持っているため、再び超新星残骸を引き寄せ、円盤を形成し、そこから形成された可能性もある[7]。また、さらに重い恒星が残す天体、ブラックホールでも周囲にガス円盤があれば、惑星を形成出来るかもしれない[8]

低質量星

超大型望遠鏡VLTで撮影された原始惑星系円盤[9]

主星が進化して、赤色巨星となると、漸近巨星分枝とよばれる過程に入り、惑星状星雲を形成し始める。すると、主星の質量が小さくなり、大質量星の時と同様に、惑星の軌道は主星から遠ざかるようになる。