文部科学省 もんぶかがくしょう Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology | |
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![]() | |
![]() 文部科学省が入居する霞が関コモンゲート東館 (中央合同庁舎第7号館) | |
役職 | |
大臣 | 萩生田光一 |
副大臣 |
高橋比奈子 丹羽秀樹(内閣府副大臣兼任) |
大臣政務官 |
鰐淵洋子 三谷英弘(復興大臣政務官・内閣府大臣政務官兼任) |
事務次官 | 藤原誠 |
組織 | |
上部組織 | 内閣[1] |
内部部局 |
大臣官房 総合教育政策局 初等中等教育局 高等教育局 科学技術・学術政策局 研究振興局 研究開発局 国際統括官 |
審議会等 |
科学技術・学術審議会 国立大学法人評価委員会 中央教育審議会 教科用図書検定調査審議会 大学設置・学校法人審議会 国立研究開発法人審議会 原子力損害賠償紛争審査会 |
施設等機関 |
国立教育政策研究所 科学技術・学術政策研究所 |
特別の機関 |
日本学士院 地震調査研究推進本部 日本ユネスコ国内委員会 |
外局 |
スポーツ庁 文化庁 |
概要 | |
法人番号 |
7000012060001 ![]() |
所在地 |
〒100-8959 東京都千代田区霞が関 三丁目2番2号 北緯35度40分17秒 東経139度44分55秒 / 北緯35.671306度 東経139.748598度座標: 北緯35度40分17秒 東経139度44分55秒 / 北緯35.671306度 東経139.748598度 |
定員 |
2,150人(2020年9月30日までは、2,180人)[2] 本省1,729人(2020年9月30日までは、1,759人)、文化庁301人、スポーツ庁120人[3] |
年間予算 | 5兆4152億1820万3千円[4](2020年度) |
設置 | 2001年(平成13年)1月6日 |
前身 |
文部省 科学技術庁 |
ウェブサイト | |
文部科学省 |
文部科学省(もんぶかがくしょう、英: Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology、略称: MEXT)は、日本の行政機関のひとつ[5]。教育、学術、スポーツ、文化および科学技術の振興、宗教事務等を所管する[6]。日本語略称は、文科省(もんかしょう)。
中央合同庁舎第7号館東館に所在している。2004年(平成16年)1月から2008年(平成20年)1月までの期間、新庁舎への建替え・移転のため丸の内の旧三菱重工ビルを「文部科学省ビル」と改称して仮庁舎としていた(その後、同ビルは丸の内二丁目ビルに改称され、みずほフィナンシャルグループの本社を経て、2015年から2018年11月まで東京商工会議所が使用していた[7][8]。現在は一般の貸しビルとして使用されている。)
上記の文部科学省設置法第3条に示された任務を達成するため、文部科学省は、教育、科学技術、学術、文化、および健常者スポーツ(障害者スポーツは厚生労働省の管轄)の振興に関する事項をつかさどる。
2001年(平成13年)1月6日、中央省庁再編に伴い、学術・教育・学校等に関する行政機関だった旧文部省と、科学技術行政を総合的に推進する行政機関で旧総理府の外局だった旧科学技術庁とが統合されて誕生した。(歴代の文部大臣、歴代の科学技術庁長官を参照。)
科学技術庁は、長官に国務大臣が充てられる大臣庁であり、府省庁の垣根を超えた横断的な行政機関として機能し、他府省庁からの出向者も多かった。また、他府省庁の各専門機関の予算調整等の役割を担うこともあった。文部科学省はそうした性格であった大臣庁と省とが統合された異例の再編であった。
旧科学技術庁の調整機能は内閣府に移管されたが、原子力行政に代表されるように、特定の行政機能がこの統合・再編で各省(府)庁にいびつに分散、または文部科学省に集中した。分散の代表が原子力行政であるとすれば、集中の代表は独立行政法人の研究機関であると言える[9]。
文部科学省設置法第4条は計97号に及ぶ所掌事務をつかさどると規定している。具体的には以下に関することなどがある。
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文部科学省の内部組織は一般的に、法律の文部科学省設置法、政令の文部科学省組織令および省令の文部科学省組織規則が重層的に規定している。
文部科学省は他省の「○○地方~局」に相当する、全国を分割網羅する地方支分部局を持たない。かつて、地方にある大学や地方教育委員会の施設整備に関する補助金交付事務を行う「○○地方工事事務所」が国立大学の敷地内に存在したが、国立大学の法人化に伴い廃止された。補助金交付事務は本部で行えば足り、教育行政は完全な地方分権であるため必要がないというのが廃止理由である。元科学技術庁の機関であった水戸原子力事務所が唯一の地方支分部局であったが原子力規制委員会設置法(平成24年法律第47号)により平成25年3月31日に廃止された。
特別の法律により設立される民間法人[13]、特別の法律により設立される法人および認可法人は所管しない。
2020年度(令和2年度)一般会計当初予算における文部科学所管の歳出予算は5兆4,152億1,820万3千円である[4]。組織別の内訳は文部科学本省が5兆2,731億7,892万2千円と全体の約97%を占め、以下、文化庁が1,067億1,485万9千円、スポーツ庁が306億3,212万6千円、文部科学本省所轄機関が46億9,229万6千円と続く。本省予算のうち義務教育費国庫負担金の1兆5,221億4,100万円(対本省比28.8%)及び国立大学法人運営費の1兆806億7,206万9千円(20.5%)が大きな比重をしめる。本省所轄機関とは国立教育政策研究所、科学技術・学術政策研究所、日本学士院等をさす。
文部科学省は、内閣府、経済産業省及び環境省と、エネルギー対策特別会計を共管[14] する。また、国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣府、復興庁、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省及び防衛省所管[15] の東日本大震災復興特別会計を共管する。
一般職の在職者数は2019年7月1日現在、文部科学省全体で2,120人(うち、女性514人)[16]。機関別内訳は本省が1,747人(うち、女性425人)、文化庁249人(うち、女性71人)、スポーツ庁116人(うち、女性18人)となっている。
行政機関職員定員令に定められた文部科学省の定員は特別職1人を含めて2,150人(2020年9月30日までは、2,180人)[2]。本省および各外局別の定員は省令の文部科学省定員規則により、本省1,729人(2020年9月30日までは、1,759人)、文化庁301人、スポーツ庁120人となっている[3]。
2020年度一般会計予算における予算定員は特別職7人、一般職2,126人の計2,133人である[4]。機関別内訳は本省が1,523人、文部科学本省所轄機関189人、日本学士院11人、日本芸術院7人、文化庁301人、スポーツ庁120人となっている。他に東日本大震災復興特別会計において本省に23人の予算定員がある[17]。
文部科学省職員は一般職の国家公務員なので、労働基本権のうち争議権と団体協約締結権は国家公務員法により認められていない。団結権は認められており、職員は労働組合として国公法の規定する「職員団体」を結成し、若しくは結成せず、又はこれに加入し、若しくは加入しないことができる(国公法第108条の2第3項)。2019年3月31日現在、人事院に登録された職員団体は存在しない[18]。2005年度以降、組織率が数パーセントの状況が続き、2011年度にはついに0%となった。かつては国公労連加盟の文部省職員労働組合が活動していたが、2011年3月31日をもって解散した[19]。
2018年12月25日、中堅・若手職員有志(今年8月に公募で集まった職員173人、メンバーの大半は、大半が室長・課長補佐級以下で占められていた。)は、文部科学省の局長級幹部が相次いで逮捕された汚職事件を受け、組織の抜本改革を求める報告書を柴山昌彦文科相に提出した。
文部科学省が編集する白書には「文部科学白書」及び「科学技術白書」があり、後者は科学技術基本法の規定により、政府が毎年国会に提出する「政府が科学技術の振興に関して講じた施策に関する報告書」(年次報告書、同法第8条)を収録している。
文部科学省が発行または編集する広報誌としては、本省の『文部科学広報』(月刊)、文化庁の『月刊文化財』、日本学士院の『日本学士院ニュースレター - 明六社だより』(年2回刊)、地震調査研究推進本部の『地震本部ニュース』(月刊)、などがある。『月刊文化財』の発行主体は第一法規株式会社で、文化庁は監修に携わっている。かつては、ぎょうせい発行の『文部科学時報』(月刊)があったが、2012年3月10日号をもって終刊となった。文化庁の『文化庁月報』(月刊)も2014年3月号をもって終刊となり、不定期のウェブ広報誌『ぶんかる』として発刊している。
ウェブサーバー名は「www.mext.go.jp
」。他に文化庁は「www.bunka.go.jp
」、日本学士院は「www.japan-acad.go.jp
」、地震調査研究推進本部は「www.jishin.go.jp
」、国立教育政策研究所は「www.nier.go.jp
」、科学技術・学術政策研究所は「www.nistep.go.jp
」等と一部の機関は独自のドメイン名を持つ。
2017年に発覚した組織的な天下りのあっせん(文部科学省における再就職等規制違反)への対策として、2019年4月から国立大学法人へ理事として出向する文科省幹部を半減させる事になった。文科省は運営費交付金を出すなど、大学に対して大きな権限を持つ。加計学園問題で注目された前川喜平は次官として天下りあっせんで処分されており、加計学園理事であった木曽功も元国際統括官である[20]。
あいちトリエンナーレ2019に対する補助金不交付問題にからんで、2019年10月1日に文化庁が取り組む「アートプラットフォーム事業」のメンバーから撤回を求める声明文が出され、副座長が辞表を提出した[21]。
代 | 氏名 | 出身 | 前職 | 在任期間 | 最終学歴 | 退任後の役職 |
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1 | 小野元之 | 文部省 | 文部省大臣官房長 | 2001年(平成13年) 2003年(平成15年) 1月10日 |
1月06日-京都大学法学部卒 | 日本学術振興会理事長 学校法人城西大学理事長代理 教育再生会議委員 |
2 | 御手洗康 | 文部省 | 文部科学審議官 | 2003年(平成15年) 2005年(平成17年) 1月11日 |
1月10日-東京大学法学部卒 | 放送大学学園理事長 学校法人共立女子学園理事長 |
3 | 結城章夫 | 科学技術庁 | 文部科学審議官 | 2005年(平成17年) 2007年(平成19年) 7月 6日 |
1月11日-東京大学工学部卒 | 山形大学学長 学校法人富澤学園副理事長 |
4 | 銭谷眞美 | 文部省 | 初等中等教育局長 | 2007年(平成19年) 2009年(平成21年) 7月14日 |
7月 6日-東北大学教育学部卒 | 東京国立博物館館長 日本博物館協会会長 ベルマーク教育助成財団理事長 |
5 | 坂田東一 | 科学技術庁 | 文部科学審議官 | 2009年(平成21年) 2010年(平成22年) 7月30日 |
7月14日-東京大学大学院工学系研究科修士課程修了 | ウクライナ特命全権大使 一般社団法人日本原子力産業協会特任フェロー |
6 | 清水潔 | 文部省 | 文部科学審議官 | 2010年(平成22年) 2012年(平成24年) 1月 6日 |
7月30日-東京大学法学部卒 | 明治大学研究・知財戦略機構特任教授 早稲田大学大学院教職研究科客員教授 京都工芸繊維大学顧問 弁護士(みのり総合法律事務所) |
7 | 森口泰孝 | 科学技術庁 | 文部科学審議官 | 2012年(平成24年) 2013年(平成25年) 7月 8日 |
1月 6日-東大大学院工学系研究科修了 | 東京理科大学特命教授を経て副学長 |
8 | 山中伸一 | 文部省 | 文部科学審議官 | 2013年(平成25年) 2015年(平成27年) 8月 4日 |
7月 8日- 東京大学法学部卒 | ブルガリア特命全権大使 学校法人角川ドワンゴ学園理事長 |
9 | 土屋定之 | 科学技術庁 | 文部科学審議官 | 2015年(平成27年) 2016年(平成28年) 6月17日 |
8月 4日- 北海道大学大学院環境科学研究科修了 | ペルー特命全権大使 |
10 | 前川喜平 | 文部省 | 文部科学審議官 | 2016年(平成28年) 2017年(平成29年) 1月20日 |
6月17日- 東京大学法学部卒 | |
11 | 戸谷一夫 | 科学技術庁 | 文部科学審議官 | 2017年(平成29年) |
1月20日- 東北大学工学部卒 | |
藤原誠文部科学省大臣官房長による事務代理[29]。 | 2018年(平成30年) 2018年(平成30年)10月16日 |
9月21日- 東京大学法学部卒 | ||||
12 | 藤原誠 | 文部省 | 大臣官房長 | 2018年(平成30年)10月16日- | 東京大学法学部卒 |
前身の文部省・科学技術庁出身者を含む
一般職の幹部は以下の通りである[30]。