高速自動車国道
(有料)
新名神高速道路
E1A 新名神高速道路
地図
路線延長 149.6 km
2019年平成31年)3月現在:
114.8 km
開通年 2005年平成17年) -
起点 四日市JCT
主な
経由都市
大津市八幡市高槻市川西市
終点 神戸JCT
接続する
主な道路
記法
E1A 伊勢湾岸自動車道
E23 東名阪自動車道
C3 東海環状自動車道
E1 名神高速道路
E24 京奈和自動車道
E2A 中国自動車道
E2 山陽自動車道
テンプレート(ノート 使い方) PJ道路

新名神高速道路(しんめいしんこうそくどうろ、SHIN-MEISHIN EXPRESSWAY)は、三重県四日市市から滋賀県京都府大阪府経由兵庫県神戸市北区へ至る高速道路高速自動車国道)である。略称は新名神高速(しんめいしんこうそく、SHIN-MEISHIN EXPWY)、新名神(しんめいしん)など。

高速道路ナンバリングによる路線番号は、新東名高速道路伊勢湾岸自動車道ともに「E1A」が割り振られている[1]

概要

新東名高速・伊勢湾岸道とともに、東名高速道路(東名)・名神高速道路(名神)と機能を相互に補完する役割を担う道路である。東名・名神は、1966年の全線開通以降、東京名古屋大阪の日本三大都市を結ぶ基幹的な高速道路となった。しかし、交通量の増加により交通混雑が頻発しているほか、自動車交通に依存している産業・経済を支える役割の道路が断絶した場合の影響は壊滅的な状況になるものであると予測されたことから、東名・名神とのダブルネットワーク、適切な交通機能の分担により、高い信頼性を確保する道路として計画されたものである[2]

おおむね名神高速と並行するが、関ヶ原琵琶湖南岸を通過する中山道沿いから天王山を越えて進む名神高速に対して、新名神は鈴鹿峠越えの東海道国道1号)沿いを進み、淀川を横断して北摂山系を貫くルートで建設されており、名古屋 - 神戸間を比較的直線的に結ぶ一方で、大阪市京都市といった大都市の市域からは離れたルートが選択されている。

新名神の整備により、交通の流れや交通量に変化が出ている。

高速自動車国道法に基づく正式な路線名は名古屋・神戸間を結ぶ「近畿自動車道名古屋神戸線」といい[3]、近畿自動車道名古屋神戸線のうちの四日市ジャンクション (JCT) - 神戸JCT間に相当する区間を、一般公衆に案内する道路名(通称名)として「新名神高速道路」の名称で一部供用中の高速道路である[注釈 1]。道路名称決定までの仮称は「第二名神高速道路」であったが、2007年4月23日に「快適性や走行性に優れた21世紀の新時代にふさわしい道路となる」ということから新名神高速道路と道路名称が発表された経緯がある[5][6]

愛称は、第二名神自動車道建設促進協議会によって募集・決定された「畿央まほろばハイウェイ[7][8]。「しんめちゃん」というマスコットキャラクターが存在する[9]。部分開通を迎えた際、テレビ・ラジオCMやリーフレットなど宣伝広告に用いられたキャッチコピーは、「日本のまん中に、元気な流れ」。

建設に当たっては紫香楽宮に関連する遺跡や鵜殿のヨシ原の付近を通過する箇所があり、前者については工事計画の変更を余儀なくされ、後者については2013年に国土交通大臣に計画の見直しを求めて約7万9000人分の署名簿が提出される[10]などの事象が生じている。

新名神や新東名などの中央分離帯に専用軌道を敷き、東京 - 大阪間に物流専用の高速貨物鉄道を整備する東海道物流新幹線構想が検討されていたが、2019年(平成31年)現在では新東名の御殿場JCT - 浜松いなさJCT間の全線6車線化が決定しており、残りの区間についても6車線化に向けた本格的な調査が開始されたため、当構想は事実上消滅している。

道路規格

城陽JCT/IC - 八幡京田辺JCT/IC間と高槻JCT - 神戸JCT間は工費や工期削減のため従来の4車線構造で施工されており[11]、路肩部分も下記に示す幅は確保されていない。

本線

  • 道路構造 : 第1種第1級(亀山西JCT - 甲賀土山ICの下り線以外は暫定施工時 : 第1種第2級)
  • 設計速度 : 100[注釈 2] - 120 km/h
  • 車線
    • 亀山西JCT - 甲賀土山IC 下り線 : 3.50 m × 2 + 3.75 m
    • 上記以外の区間 : 走行車線3.50 m 追い越し車線3.75 m(用地買収 : 6車線)
  • 路肩(往復分離しない区間[注釈 3]
    • 土工部 : 2.50 m - 3.00 m × 2(左側)
    • 橋梁部(中小橋) : 2.50 m - 3.00 m × 2(左側)
    • 橋梁部(長大橋) : 1.75 m - 3.125 m × 2(左側)
  • 路肩(往復分離する区間[注釈 4]
    • 土工部 : 2.50 m - 3.50 m(左側)1.25 m - 1.75 m(右側)
    • トンネル部 : 1.00 m - 2.50 m
    • 橋梁部(中小橋) : 2.50 m - 3.00 m(左側)1.25 m - 1.75 m(右側)
    • 橋梁部(長大橋) : 1.75 m - 3.125 m(左側)1.25 m(右側)
  • 中央分離帯 : 4.50 m
  • 中央分離帯の路肩 : 2.00 m(トンネル部1.25 m)
  • 最小曲線半径 : 標準値3,000 m 特例値1,500 m
  • 最急勾配 : 標準値2.0 % 特例値3.0 %
  • 最小縦断曲線半径 : 凸型標準値40,000 m 特例値23,000 m 凹型標準値9,000 m 特例値6,000 m
  • 停止視距 : 310 m

名神に比べ、車線は1車線あたり15 cm広く、道路全体では4 m広い。曲線半径は名神が一般的に半径1,000 m - 2,000 mであるのに対し、新名神は大部分が半径3,000 m以上である。勾配の割合も名神が5 %であるのに対し、新名神では半分以下の2 %に抑えられている。

連絡路

  • 道路構造 : 第1種第3級
  • 設計速度 : 80 km/h
  • 車線 : 3.50 m×2
  • 路肩 : 2.50 m(橋梁部1.75 m)
  • 最小曲線半径 : 標準値700 m
  • 最急勾配 : 標準値4.0 %

一部区間の建設凍結と凍結解除の経緯

新名神高速道路は新東名・伊勢湾岸道・山陽道と共に、東京・名古屋・大阪・広島・博多の日本五大都市を結ぶ日本の新しい大動脈として期待されている。しかし、道路関係四公団民営化推進委員会委員であった猪瀬直樹京滋バイパス第二京阪道路と重複し、交通需要が低く採算性が見込めない区間とされる滋賀県大津市 - 京都府城陽市間約25 kmと京都府八幡市 - 大阪府高槻市間約10 kmの整備をしない意向を示した旨の意見書を、当委員会の最終意見として2002年12月6日に当時の小泉純一郎総理大臣に提出した。

これにより、2003年12月22日に政府与党申し合わせで当区間が抜本的見直し区間に設定。同年12月25日の第1回国土開発幹線自動車道建設会議(国幹会議)では、新東名などと共に本線部分の暫定4車線での施工など、大幅な整備計画変更(コスト削減)が決定された。さらに2006年2月7日の第2回国幹会議にて「主要な周辺ネットワークの供用における交通状況等を見て、改めて事業の着工について判断する当面着工しない区間」とされ、第二京阪道路が全線開通した2010年3月20日以降に着工判断が持ち越され、法的に建設が予定されている国土開発幹線自動車道の整備を占う象徴的区間として政争の中心となっていた。沿線の滋賀県・京都府・大阪府の3知事などは凍結解除・早期着工を求めており、2009年4月27日の第4回国幹会議では、議論に至ったものの凍結解除は見送られた。

馬淵澄夫国土交通副大臣は2010年4月13日に毎日新聞の取材を受け、国幹会議で整備計画区間でありながら建設が凍結されている当路線を含む4路線5区間について「整備計画からの格下げもありうる」と発言し、建設中止を示唆していた[12]第174回国会に提出中であった道路整備事業財政特別措置法改正案の適用で整備計画区間からの除外も可能であったことや、現職副大臣の発言であったため建設中止の可能性が高まっていた。

事業を担当するNEXCO西日本の西村英俊会長兼社長は「危機管理の点からも絶対に必要な道路。当然、着工しないといけない。」と明言していた[13]

2009年3月31日に国土交通省が費用便益比 (B/C) の再評価を以下のように発表している[14]

区間 延長 (km) 事業費(億円) 計画交通量(台/日) 費用便益比 (B/C)
四日市JCT - 菰野IC 12.6 1,461 40,000 - 51,700 4.1
菰野IC - 亀山西JCT 15.2 1,798 41,600 3.9
大津JCT - 城陽IC 25.1 3,273 45,200 - 49,200 2.3
城陽IC - 高槻JCT 14.2 5,155 29,600 - 46,500 2.0
高槻JCT - 神戸JCT 40.5 7,206 34,900 - 42,200 1.1

上記の通り、費用便益比が1.1の高槻JCT - 神戸JCT間が先に事業化されており、1.1より高い大津JCT - 城陽IC間が当面着工しない区間に指定されていた。

その後、2012年4月6日に前田武志国土交通大臣が当面着工しない区間の建設凍結解除を表明[15][16] し、同月20日には事業許可が下りた[17]。この結果、未開通区間は全て事業中となり、2023年度までに全線開通予定である。

インターチェンジなど

名神ではIC番号は東名からの通し番号となっているが、新名神は新東名との間に伊勢湾岸道を挟むことから、新東名からの通し番号とはなっておらず、新名神単独で1から振られている。

歴史

  • 1987年昭和62年)
  • 1989年平成元年)
  • 1991年(平成3年)12月3日:亀山 - 城陽間の整備計画が決定する[34]
  • 1993年(平成5年)
    • 11月19日:亀山 - 城陽間の施工命令が出る[34]
    • 12月4日:亀山JCT - 草津田上IC間の事業に着手する[35]
  • 1996年(平成8年)12月27日 : 四日市 - 菰野間、城陽 - 八幡間、八幡 - 高槻間、箕面 - 神戸間の整備計画が決定する[34]
  • 1997年(平成9年)12月25日 : 城陽 - 八幡間の施工命令が出る[34]
  • 1998年(平成10年)
    • 1月20日:城陽JCT/IC - 八幡JCT/IC間の事業に着手する。
    • 12月25日:四日市 - 菰野間、八幡 - 高槻間、箕面 - 神戸間の施工命令が出る[34]
      四日市 - 菰野間、八幡 - 高槻間、箕面 - 神戸間の整備計画が変更されるとともに、菰野 - 亀山間、高槻 - 箕面間の整備計画が決定する[34]
  • 1999年(平成11年)
    • 1月8日:新四日市JCT - 菰野IC間、箕面IC - 神戸JCT間の事業に着手する。
    • 12月24日:高槻 - 箕面間の施工命令が出る[34]
  • 2000年(平成12年)1月12日:高槻第一JCT - 箕面IC間の事業に着手する。
  • 2001年(平成13年)11月28日新宮神社遺跡の保存ため工法を変更する。
  • 2002年(平成14年)12月6日道路関係四公団民営化推進委員会が大津 - 城陽間と、八幡 - 高槻間を整備をしない意向を示した意見書を、当時の小泉純一郎総理大臣に提出する。
  • 2003年(平成15年)
  • 2005年(平成17年)
    • 3月19日:草津JCT - 草津田上IC間(大津連絡路の一部)が名神高速道路の支線として開通する[39]
    • 4月1日:菰野IC - 亀山西JCT間の事業に着手する。
    • 4月20日鍛冶屋敷遺跡の保存ため工法を変更する。
    • 9月13日:一般公募により愛称が畿央まほろばハイウェイに決定する[7]
  • 2006年(平成18年)
    • 2月7日:第2回国幹会議[40] で35%を超えるコスト削減とともに、当面着工しない区間として整備計画を変更し着工が凍結する[41]
    • 3月31日:新四日市JCT - 大津JCT間、城陽JCT/IC - 八幡JCT/IC間、高槻第一JCT - 神戸JCT間の事業許可が出る[42]
  • 2007年(平成19年)4月23日:道路名称が第二名神高速道路から新名神高速道路に、亀山JCT〜草津田上IC間の各施設の名称が正式決定する[5][6]
  • 2008年(平成20年)2月23日:亀山JCT - 草津田上IC間が開通し[35]、それに伴い草津JCT - 草津田上IC間が新名神高速道路に編入する。
  • 2009年(平成21年)
  • 2010年(平成22年)3月1日:宝塚SAに併設する形でスマートICを設置する方針が固まる[48]
  • 2011年(平成23年)12月4日:城陽JCT/IC - 八幡JCT/IC間の工事に着手する[49]
  • 2012年(平成24年)
    • 4月6日:大津JCT - 城陽JCT/IC間、八幡JCT/IC - 高槻第一JCT間の着工の凍結が解除する[15][16]
    • 4月20日:大津JCT - 城陽JCT/IC間、八幡JCT/IC - 高槻第一JCT間と宝塚北スマートICの事業認可が出る[17][34]
  • 2016年(平成28年)
    • 4月22日有馬川橋橋桁落下事故が発生する[50][51]
    • 5月19日:余野川橋の架設作業中に橋桁を支える仮受設備が、桁下を通過する箕面有料道路上に転倒する事故が発生する[52]
    • 6月20日:三重県四日市市北山町の工事現場において、工事関係者が後退してきた油圧ショベルに轢かれ死亡する事故が発生する[53]
    • 8月11日:四日市JCT - 新四日市JCT間が開通する[54]
    • 10月3日:兵庫県猪名川町広根の建設現場において、足場の撤去作業中に作業員が高架橋から約20メートル下の猪渕川に転落し死亡する事故が発生する[55]
  • 2017年(平成29年)
    • 4月30日:城陽JCT/IC - 八幡京田辺JCT/IC間が開通する[56]
    • 6月19日:箕面IC付近の上り線でクレーンでつり下げていた鉄板がはずれ作業員1人が下敷きとなり死亡する事故が発生する[57][58]
    • 9月12日:箕面IC付近の工事現場で高さ約30mの足場から男性作業員が転落し、死亡する事故が発生する[59][60]
    • 12月10日:高槻JCT/IC - 川西IC間が開通する[61]
  • 2018年(平成30年)
    • 3月15日:大阪府枚方市楠葉の淀川に架かる橋の工事現場で橋の先端にある鉄骨が外れ男性作業員が川に転落し、死亡する事故が発生する[62]
    • 3月18日:川西IC - 神戸JCT間が開通する[63]
  • 2019年(平成31年 / 令和元年)
    • 3月17日:新四日市JCT - 亀山西JCT間が開通する[64]
    • 3月29日:亀山西JCT - 大津JCT間の6車線化について国土交通省より事業許可を受ける[65]
    • 12月13日:令和元年度補正予算にて、大津JCT - 城陽JCT・八幡京田辺JCT - 高槻JCT間のトンネルと橋の6車線規格での建設が決定[66][注釈 7]
    • 宝塚市の川下川ダム上空にかかる工事中の橋梁 2012年11月

      ※上記は日本高速道路保有・債務返済機構との協定上の完成予定年度である。

建設にかかる事件・事故

建設現場での事故
発生日 発生場所 死者数 負傷者数 備考
2016年4月22日 兵庫県神戸市北区道場町 2 8 橋桁落下→新名神高速道路有馬川橋橋桁落下事故
2016年5月19日 大阪府箕面市下止々呂美 0 0 橋桁を支える仮受設備の転倒
2016年6月20日 三重県四日市市北山町 1 0 建設機械による轢過[53]
2016年10月3日 兵庫県猪名川町広根 1 0 足場から転落[55]
2017年6月19日 大阪府箕面市下止々呂美 1 0 鉄板の落下
2017年9月12日 大阪府箕面市下止々呂美 1 0 足場から転落
2018年3月15日 大阪府枚方市楠葉 1 0 足場の落下
入札情報漏洩疑い
2009年12月12日に高槻JCT - 神戸JCTの40.5 kmが着工されたが、この区間のうちの一部において、工事価格の情報が、入札前に清水建設に漏洩した疑いが出ており、この疑惑を受け西日本高速道路は工事の入札を中止しており、兵庫県警が清水建設及び社員宅を捜索するなどして捜査を行った[70]
有馬川橋橋桁落下事故
2016年4月22日午後4時30分頃、兵庫県神戸市北区の工事区間で
亀山JCT - 草津JCT
2005年3月19日に草津JCT - 草津田上IC間が開通、当初2009年3月の開通予定であった亀山JCT - 草津田上IC間の49.7 kmが、コスト削減により設計規格を見直し、1年前倒しで2008年2月23日に開通した(総事業費4652億円)[39][35]。これにより、名神と新名神のダブルネットワークが完成したが[71]、後述のとおり、東名阪道で渋滞が頻発した。
豊田JCT - 草津JCT間における東名・名神経由のルートと伊勢湾岸道・東名阪・新名神経由の2ルートを比較すると、所要時間は名神経由の約2時間5分から新名神経由の約1時間35分へと30分の短縮、走行距離では名神経由約160 kmから新名神経由約126 kmと約34 kmの短縮となる。西日本高速道路が発表の開通後1年間のとりまとめによれば、名神経由の交通の一部が新名神経由へ転換したことにより、東名・名神の交通量は減少、豊田JCT - 草津JCT間の渋滞回数は減少した(一宮JCT - 草津JCT間の渋滞は約7割減少)。また、この2ルートの分担率は名神経由が26%、新名神経由が74%と、豊田JCT - 草津JCTでは新名神の利用が進んでいることがわかる。さらには、東名・名神で発生した通行止めの際には代替ルートとしても機能した実績も挙げられた[72]
一方、東名阪自動車道では渋滞が多発した。上述の通り、豊田JCT - 草津JCT間を通過する車両が名神経由26%・新名神経由74%となった。そのため、接続先の東名阪道の亀山JCT - 四日市JCT間では新名神開通前と比べて渋滞回数が約2.7倍に増加した[72]ゴールデンウィークや土日・祝日の夕方などに渋滞が多発している。渋滞が10 - 20 km以上に及ぶこともあり、名神草津JCT以西から東名豊田JCT以東を通過する場合に通常時は新名神経由が20分ほど早く通過出来るが、渋滞時は名神経由と同等、もしくは名神経由の方が早い場合がある。渋滞緩和のため、東名阪道の一部区間での付加車線の設置[注釈 8]やLEDライトの発光で速度低下を防ぐ仕組みを導入する[76]などの様々な試みが施されたが渋滞解消には至らず、抜本的対策である新四日市JCT - 亀山西JCT間の開通が待たれた[76]
新四日市JCT - 亀山西JCT
2019年3月17日に開通した新四日市JCT - 亀山西JCT間は東名阪との並行区間であるため、上述の渋滞を抜本的に解消する区間である[64]。新名神開通前は東名阪のみで1日平均98,900台の交通を担っていたが、開通後には東名阪61,200台、新名神45,400台と、東名阪の交通が新名神にも分散したことにより、東名阪の交通量が4割減少した[注釈 9][77]。これにより、東名阪での交通集中による渋滞回数は新名神開通前の1157回から開通後の265回へ、およそ8割の減少を遂げた[注釈 9][77]。一方で、四日市JCT以東から亀山西JCT以西を通過する交通の内約1割(1日平均3600台)は東名阪を利用していることから、これらが新名神経由のルートに転換することで、東名阪で残る渋滞をさらに軽減できる見込みもある[77]。東名阪での渋滞減少は、並行する一般国道の交通にも影響を及ぼす結果となっている。具体的には、東名阪における渋滞が大幅に減少したことにより、東名阪に並行する国道1号国道23号の通過交通のうち約4割が減少し、その減少分の大部分は東名阪へと転換したと考えられる[77]。また、東名阪において事故が発生した際には新名神経由のルートへの迂回が行われ、ダブルネットワーク効果も現れた。事故という観点では、新名神開通前に東名阪での事故は501件でうち渋滞起因の事故は254件起こっていたが、新名神開通後の東名阪では190件(うち渋滞起因24件)、新名神に至っては46件(うち渋滞起因0件)と、事故件数は約5割の減少が見られた[77]
高槻JCT - 神戸JCT
2017年12月10日に高槻JCT -

車線・最高速度

錐ヶ瀧橋で車線が増加
区間 車線
上下線=上り線+下り線
最高速度
本線 四日市JCT - 亀山西JCT 4=2+2(暫定4車線) 100 km/h
亀山西JCT - 甲賀土山IC 5=2+3(暫定5車線
甲賀土山IC - 大津JCT 4=2+2(暫定4車線)
(大津JCT - 城陽JCT/IC間未開通)
城陽JCT/IC - 八幡京田辺JCT/IC 4=2+2(暫定4車線) 80 km/h
(八幡京田辺JCT/IC - 高槻JCT間未開通)
高槻JCT - 神戸JCT 4=2+2(暫定4車線) 100 km/h
亀山連絡路 亀山JCT - 亀山西JCT 4=2+2(完成4車線) 80 km/h
大津連絡路 草津JCT - 大津JCT

甲南トンネル-大津JCT付近にかけては、山の斜面に建設されたために、上下線で路面の高さが異なっている。またトンネル部はスピード感覚が希薄になるため走行速度には注意を要する。

雨天時の水捌けが向上し、車両走行による水飛沫の発生・騒音の低減効果を有する高機能舗装で舗装されており、車線逸脱時の注意喚起として凹型注意喚起舗装、白線も従来の20cmから30cmの幅広タイプの採用など、全線において様々な面で安全対策がとられている。

コスト削減により、下り線の亀山西JCT-甲賀土山IC間を除く本線は暫定4車線での開通になったが完成6車線分の用地買収はされており、トンネルや一部橋梁では完成6車線規格での施工が済んでいる箇所がある。完成6車線での施工か否かは施工時期によって異なっており、暫定4車線区間の完成6車線での運用の際には、土工部では中央分離帯の暫定緑化を縮小する、橋梁部では橋桁や橋脚の拡幅(一部橋脚は片側3車線分の幅で施工済み箇所あり)をするなど新たな追越車線となる3車線目を施工する必要がある。また、高槻JCT-神戸JCTの区間のトンネルは片側2車線分の幅しかないため、完成6車線で供用するにはトンネルをもう一本掘るなどの工事が必要になる。

突発的な事故や渋滞の発生、気象状況等によって、三重県警滋賀県警高速道路交通警察隊規制速度を定めている。特に当路線では濃霧や横風により最高速度が50 km/hまでに制限される。

サービスエリア・パーキングエリア

鈴鹿パーキングエリア (PA)・土山サービスエリア (SA)・甲南パーキングエリア (PA)・宝塚北サービスエリア (SA)には売店があるが、茨木千提寺パーキングエリア (PA)には売店がない。また土山SA・宝塚北SAは上下線集約型の特殊構造型SAで、レストランガソリンスタンドがあり、フードコート売店・ガソリンスタンド・コンビニエンスストア(土山SAのみ、セブン-イレブン)が24時間営業となっている。土山SA・甲南PAは第三セクターが管理・運営する。鈴鹿PAにはガソリンスタンドがないが、並行する東名阪自動車道の御在所SAにはガソリンスタンドがある。

トンネルと橋

近江大鳥橋
(2006年度土木学会田中賞作品部門受賞)

本線

  • 四日市トンネル(菰野IC - 鈴鹿PA/SIC):上り線1,353 m 下り線1,353 m
  • 野登トンネル(鈴鹿PA/SIC - 亀山西JCT) : 上り線4,131 m 下り線4,137 m
  • 錐ヶ瀧橋(亀山西JCT-土山SA) : 上り線1,257 m 下り線1,303 m
  • 鈴鹿トンネル (亀山西JCT - 土山SA) : 上り線4,005 m 下り線3,959 m
  • 池田高架橋(甲賀土山IC - 甲南IC/PA) : 上り線1,464 m 下り線1,460 m
  • 甲南トンネル(甲南IC/PA - 信楽IC) : 上り線2,562 m 下り線2,530 m
  • 隼人川橋(甲南IC/PA - 信楽IC) : 上り線674 m 下り線708 m
  • 近江大鳥橋(信楽IC - 大津JCT) : 上り線495 m 下り線555 m
  • 金勝山トンネル(信楽IC - 大津JCT) : 上り線3,836 m 下り線3,765 m
  • (建設中)枚方トンネル(八幡京田辺IC/JCT - 高槻JCT):約3,000 m[81]
  • 原萩谷トンネル(高槻JCT - 茨木千提寺IC/PA):上り線3,057 m 下り線:3,015 m
  • 箕面トンネル(茨木千提寺IC/PA - 箕面とどろみIC):上り線4,997 m 下り線4,982 m[82]
  • 止々呂美トンネル(箕面とどろみIC - 川西IC):上り線2,123 m 下り線1,997 m
  • 切畑トンネル(川西IC - 宝塚北SA/SIC):上り線1,975 m 下り線2,007 m
  • 生野大橋(宝塚北SA/SIC - 神戸JCT) : 606 m
  • 新名神武庫川橋(宝塚北SA/SIC - 神戸JCT) : 442.2 m

亀山連絡路

大津連絡路

  • 区間 トンネル 橋梁
    上り線 下り線 上り線 下り線
    本線 四日市JCT - 新四日市JCT 0 0 2 2
    新四日市JCT - 菰野IC 0 0 不明
    菰野IC - 鈴鹿PA/SIC 1 1
    鈴鹿PA/SIC - 亀山西JCT 1 1
    亀山西JCT - 土山SA 1 1 4 4
    土山SA - 甲賀土山IC 0 0 0 0
    甲賀土山IC - 甲南IC/PA 0 0 10 10
    甲南IC/PA - 信楽IC 1 1 4 4
    信楽IC - 大津JCT 1 1 8 8
    城陽JCT/IC - 八幡京田辺JCT/IC 0 0 1 1
    高槻JCT/IC - 茨木千提寺IC/PA 3 3 不明
    茨木千提寺IC/PA - 箕面とどろみIC 1 1
    箕面とどろみIC - 川西IC 2 2
    川西IC - 宝塚北SA/SIC 3 3
    宝塚北SA/SIC - 神戸JCT 1 1
    亀山連絡路 亀山JCT - 亀山西JCT 1 1 8 7
    大津連絡路 草津JCT - 草津田上IC 0 0 3 3
    草津田上IC - 大津JCT 0 0 3 3
    合計 16 16 40以上 39以上

    亀山JCT - 草津田上IC間(草津JCT - 草津田上IC間の1.2 kmを除く)の49.7 kmのうち、土工部が26.7 km(54%)、橋梁部が11.5 km(23%)、トンネル部が11.5 km(23%)であり、地形比率は山地部約80%、平地部約20%である。

    城陽JCT/IC-八幡京田辺JCT/IC間の3.5 kmのうち、土工部0.6 km(17%)・橋梁部2.9 km(83%)である。また、高槻JCT/IC-神戸JCT間の40.5 kmのうち、土工部13.4 km(35%)・橋梁部10.6 km(25%)・トンネル部17.3 km(40%)であり、大半が山地であるため橋梁33本、トンネル10本が設けられる。

    道路照明灯

    霧対策用視線誘導灯
    (大津JCT付近 左側路肩)
    • 亀山JCT・草津JCT付近
    • 甲賀土山IC・甲南IC・信楽IC・草津田上IC付近
    • 土山SA・甲南PA付近
    • 大津Aランプ橋・大津Dランプ橋(低位置照明

    ほぼ全線にわたり、山間部を通過している上に道路照明灯がJCT・IC・SA・PA付近にしか設置されていないので夜間は見通しが悪い。

    また、信楽地区などで濃霧が発生しやすいため、一部区間の左側路肩に緑色の、右側路肩にオレンジ色の自発光LED霧対策用視線誘導灯が10m間隔で近畿地方では初めて設置されている。濃霧発生時だけでなく見通しの悪い夜間にも稼働している場合がある。

    道路管理者

    • NEXCO中日本 名古屋支社
      • 桑名保全・サービスセンター : 四日市JCT - 甲賀土山IC(甲賀土山ICを含まない)、亀山JCT - 亀山西JCT(亀山連絡路)
    • NEXCO西日本 関西支社
      • 滋賀高速道路事務所 : 甲賀土山IC - 大津JCT、草津JCT - 大津JCT(大津連絡路)[83]
      • 京都高速道路事務所 : 城陽JCT/IC - 八幡京田辺JCT/IC[83]
      • 大阪高速道路事務所 : 高槻JCT/IC - 箕面とどろみIC[83]
      • 神戸高速道路事務所 : 箕面とどろみIC - 神戸JCT
        • 菰野第一(新四日市JCT - 菰野IC)
        • 土山(亀山西JCT - 甲賀土山IC)
        • 甲賀(甲賀土山IC - 甲南IC/PA)
        • 甲南トンネル上り(甲南IC/PA - 信楽IC 上り線のみ)
        • 甲南トンネル下り(甲南IC/PA - 信楽IC 下り線のみ)
        • 金勝山トンネル上り(信楽IC - 大津JCT 上り線のみ)
        • 金勝山トンネル下り(信楽IC - 大津JCT 下り線のみ)
        • 原萩谷(高槻JCT - 茨木千提寺IC)
        • 箕面(茨木千提寺IC - 箕面とどろみIC)
        • 止々呂美(箕面とどろみIC - 川西IC)
        • 切畑(川西IC - 宝塚北SA/SIC)
        • 道場(宝塚北SA/SIC - 神戸JCT)

        甲南トンネル上り・甲南トンネル下りと金勝山トンネル上り・金勝山トンネル下りは無線局を持たないトンネル内ラジオ再放送設備を介したトンネル内放送である。また、上下線別放送になっており、上り線は上り方面のみの情報、下り線は下り方面のみの情報提供である。

        NEXCO中日本名古屋支社とNEXCO西日本関西支社の管理境界となる甲賀土山ICを境に、東側は名古屋支社の一宮管制による4点チャイムの後に「○○時○○分現在の高速道路情報をお知らせします」で始まる形態、西側は関西支社の形態に分けられている。

        交通量

        24時間交通量(台) 道路交通センサス

        区間 平成22年(2010年)度 平成27年(2015年)度
        四日市JCT - 新四日市JCT 調査当時未開通
        新四日市JCT - 菰野IC
        菰野IC - 鈴鹿PA/SIC
        鈴鹿PA/SIC - 亀山西JCT
        亀山西JCT - 甲賀土山IC 36,369 46,645
        甲賀土山IC - 甲南IC 34,608 44,717
        甲南IC - 信楽IC 36,840 48,022
        信楽IC - 草津田上IC 40,428 51,270
        草津田上IC - 草津JCT 46,089 55,851
        城陽JCT/IC - 八幡京田辺JCT/IC 調査当時未開通
        高槻JCT/IC - 茨木千提寺IC
        茨木千提寺IC - 箕面とどろみIC
        箕面とどろみIC - 川西IC
        川西IC - 宝塚北SA/SIC
        宝塚北SA/SIC - 神戸JCT
        亀山JCT - 亀山西JCT 36,369 46,645

        (出典:「平成22年度道路交通センサス」・「平成27年度全国道路・街路交通情勢調査」(国土交通省ホームページ)より一部データを抜粋して作成)

地理

通過する自治体

本線
亀山連絡路
大津連絡路