この項目には、一部のコンピュータや閲覧ソフトで表示できない文字が含まれています詳細
この項目には、JIS X 0213:2004 で規定されている文字が含まれています(詳細)。

真宗大谷派(しんしゅうおおたには)は、浄土真宗宗派の1つで、宗教法人法による宗教法人包括宗教法人)である[1][2]

阿弥陀如来一佛を本尊とし[3]親鸞宗祖とする[4]。大谷派の根本道場である東本願寺を、所属するすべての寺院および教会の本山とする[5]

2018年12月31日現在の被包括宗教団体数は8,638[6]大派(だいは)、お東(おひがし)の通称がある。

概要

宗教法人の事務所は、「真宗大谷派宗務所」と称し、京都市下京区烏丸通七条上る常葉町754番地に置く[1]。法人の代表役員は、宗務総長が務める[1]

大谷派に属する僧侶および門徒の首位にある「門首」の地位、宗務に関する行為については、門首の節を参照のこと。

浄土真宗系の教団で結成する「真宗教団連合」に加盟し、加盟団体と相互の連絡・提携を取る。また同連合の事務総局は2年ごとに移管し、真宗大谷派宗務所と浄土真宗本願寺派宗務所が担当する[7]

宗派名は、「浄土真宗本願寺派」との区別の便宜上、大谷派は「お東」、本願寺派は「お西」と通称される。同様に、本山の通称[8]である「東本願寺」を宗派名の意で用いる場合もある。

※但し「東本願寺」を用いるのは東京の浅草 旧浅草本願寺である。 真宗大谷派は「本願寺」を解散させたため 「東本願寺」ではなく「真宗本廟」としている。

宗教法人としての規則と『真宗大谷派宗憲』

宗教法人としての規則は、『宗教法人「真宗大谷派」規則』[9]である。同規則第3条に、真宗大谷派の最高規定は『真宗大谷派宗憲』(以下、『宗憲』)[10]としている。また『宗憲』第5条において、『宗憲』を最高規範と定めている。本ページは、『宗憲』に定められている事項を中心に要約・引用し、記述する。

歴史

本願寺教団の成立から「本願寺」の東西分立による本願寺教団分裂までの歴史の詳細は、「本願寺の歴史」を参照。

東西分裂以降

明治14年(1881年)6月25日、公式の宗派名を「真宗大谷派」と定める[11]。当時の法主は第二十一代 嚴如[12]

明治16年(1883年)9月、「大谷派寺法」を制定する[13]。法主が本山本願寺の住職[14]と真宗大谷派教導職の管長[15]を務めることが定まる。

昭和37年(1962年)7月、「同朋会運動」発足[16]。当時の宗務総長は訓覇信雄[17]

運動のテーマは、「真宗同朋会運動とは、純粋な信仰運動である」、「家の宗教から個の自覚の宗教へ」である[18]

昭和44年(1969年)4月、第24代法主闡如が「私が兼務している法主本願寺住職・管長のうち、管長職だけを長男光紹新門に譲る」と発表した「開申事件」を契機に、教義解釈や宗派運営の方針、財産問題等を巡り、大谷家と改革派が主導する真宗大谷派内局とが対立する。(詳細は「お東騒動」を参照。)

昭和56年(1981年)6月11日、新「真宗大谷派宗憲」(新宗憲)発布。宗憲改正にともない、「法主」を廃して「門首」を新たに設け、本願寺住職及び管長の役職を廃止した。

昭和62年(1987年)12月、内局(宗務総長及び参務で組織される。)は、宗教法人法に基づいて「宗教法人 本願寺[19]」を解散の登記[20]を行い、「宗教法人 真宗大谷派」に吸収合併する。当時の法主は、第二十四代法主 闡如。合併により真宗大谷派の本山としての礼拝施設となり、正式名称を「真宗本廟」と変更する。また、「東本願寺」の通称も公式に併用している。

※本願寺の正式名称は「久遠実成阿弥陀本願寺」

分派

以下は、真宗大谷派から離脱・独立した宗派で、これらは別の宗教法人・宗教団体である。

  • 「宗教法人 浄土真宗東本願寺派本山東本願寺[21] - 浄土真宗東本願寺派東京都台東区の「浄土真宗東本願寺派 本山 東本願寺」を本山とする[22]1981年に、宗派の維持・運営をめぐる見解の相違により、真宗大谷派から離脱・独立する[23]
  • 「宗教法人 本願寺」 - 浄土真宗大谷本願寺派。本山の寺基は、「一般財団法人 本願寺文化興隆財団」、および「東山浄苑 東本願寺」のある山科区上花山に置かれる[24]
  • 「宗教法人 本願寺」

    『宗憲』第2条に「本派は、宗祖親鸞聖人の立教開宗の精神に則り、教法を宣布し、儀式を執行し、その他教化に必要な事業を行い、もって同朋社会を実現することを目的とする。」と定める。

    運営の根幹となる方針(『宗憲』の前文より抜粋)

    同朋社会の顕現
    すべて宗門に属する者は、常に自信教人信[26] の誠を尽くし、同朋社会の顕現[27] に努める。
    宗本一体
    宗祖親鸞聖人の真影を安置する真宗本廟は、宗門に属するすべての人の帰依[28]であるから、宗門人はひとしく宗門と一体としてこれを崇敬護持する。
    同朋公議
    宗門の運営は、何人の専横専断をも許さず、あまねく同朋の公議公論に基づいて行う。

    本尊

    本尊[29]
    阿弥陀如来一佛を本尊とする。
    本尊とともに安置する影像[30]
    寺院などに安置する影像は、「正法弘通の恩徳を謝するため、宗祖親鸞聖人、

    正依の聖教は、以下のとおりである。

    浄土三部経

    下記の経典を総称して「浄土三部経」と呼ぶ。

    • 佛説無量寿経曹魏康僧鎧
    • 佛説観無量寿経劉宋畺良耶舎
    • 七高僧の論釈章疏[31]

      インド

      龍樹

      天親

      • 曇鸞

        道綽

        善導

        • 観無量寿経疏[35]
        • 『往生礼讃』[36]
        • 『法事讃』[37]
        • 『般舟讃』[38]
        • 『観念法門』

          源信

          源空(法然)

            • 顕浄土真実教行証文類[40]
            • 浄土文類聚鈔
            • 愚禿鈔
            • 入出二門偈
            • 『浄土三経往生文類』
            • 『如来二種回向文』
            • 『尊号真像銘文』
            • 『一念多念文意』
            • 『唯信鈔文意』
            • 浄土和讃[41]
            • 高僧和讃
            • 以下の書籍・消息(手紙)は、『宗憲』に定められる「正依の聖教」には含まれないが、真宗大谷派の聖典である『真宗聖典』に収録され教化などに用いられる。

              親鸞消息

              • 『親鸞聖人御消息集』(広本)
              • 『御消息集』(善性本)
              • 『親鸞聖人血脈文集』(「血脈文集」)
              • 『末燈鈔』従覚編
              • 「御消息拾遺」[42]

              恵信尼

              • 『恵信尼消息』

              唯円[43]

              覚如

              • 『執持鈔』
              • 『口伝鈔』
              • 『改邪鈔』
              • 本願寺聖人伝絵』(『御伝鈔』[44]
              • 『報恩講私記』(『式文』)

              存覚

              • 『浄土真要鈔』
              • 『歎徳文』(たんどくもん)

              [45]

              • 『正信偈大意』
              • 御文
                • 『五帖御文』
                • 『夏御文』(げのおふみ)
                • 『御俗姓』
              • 『改悔文』[46]
              • 如上人御一代記聞書』 - 如の言行録

              聖覚

              • 『唯信鈔』

              隆寛

              • 『後世物語聞書』[47]
              • 『一念多念分別事』
              • 『自力他力事』

              著者不明[48]

              • 『安心決定鈔』

              源信[49]

              • 『念仏法語』(『横川法語』)

              源空(法然)

              聖徳太子[50]

              • 真宗本廟
                真宗大谷派は、「真宗本廟」をすべての寺院及び教会の本山と定めている。大谷派に属するすべての個人及び団体は、これを崇敬[52]護持[53]しなければならないとする。
                また「真宗本廟」は、宗祖である親鸞の真影を安置する「御影堂」および「阿弥陀堂」を中心とする聖域であって、本願寺とも称し、本派の崇敬の中心、教法宣布[54]の根本道場[55]であるとする。
                大谷祖廟
                また大谷祖廟は、宗祖聖人墳墓の地であって、大谷派に属する者は、これを敬仰[56]護持しなければならないとする。

                教義

                「本派の教義は、宗祖親鸞聖人が、佛説無量寿経に基づいて、顕浄土真実教行証文類[40]を撰述して開顕した本願[57]名号を体とする往還二廻向[58] を要旨とする。」と『宗憲』第8条に定める。

                教義の特徴