電影少女
ジャンル ラブコメディSF少年漫画
漫画
作者 桂正和
出版社 日本の旗 集英社
掲載誌 週刊少年ジャンプ
レーベル ジャンプ・コミックス (JC)
集英社文庫(文庫)
発表期間 あい編:1989年51号 - 1992年18号
恋編:1992年19号 - 31号 +
1992年ウインタースペシャル
巻数 全15巻 (JC)
全9巻(愛蔵版、文庫版)
話数 あい編:116話
恋編:14話
全130話
カセット / CD ブック:電影少女 VIDEO GIRL AI
原作 桂正和
脚本 富田祐弘
演出 三間雅文
発売元 集英社
レーベル 集英社カセット
集英社CDブック
発売日 1991年7月19日
映画
監督 金田龍
制作 スタッフ東京
ムーン・エンターテインメント・
ピクチャーズ
封切日 1991年6月29日
上映時間 95分
テレビドラマ:電影少女 -VIDEO GIRL AI 2018-
原作 桂正和
監督 関和亮
脚本 喜安浩平
制作
放送局 テレビ東京
発表期間 2018年1月14日 - 2018年4月1日
話数 12話
OVA:電影少女 -VIDEO GIRL AI-
原作 桂正和
監督 西久保瑞穂
シリーズ構成 関島眞頼あかほりさとる
キャラクターデザイン 後藤隆幸
アニメーション制作 I.G.TATSUNOKO
製作 集英社
発売日 1992年3月27日、4月24日、
5月22日、6月26日、
7月24日、8月28日
話数 6話
小説:電影少女 -VIDEO GIRL AI-
著者 富田祐弘
イラスト 桂正和
出版社 集英社
掲載誌 jump novel vol.1(第一話のみ)
レーベル ジャンプ ジェイ ブックス
発売日 1993年6月9日
巻数 全1巻
話数 全3話
ゲーム:電影少女 -Virtual Girl Lun-
ゲームジャンル 恋愛シミュレーション
対応機種 Windows 95/98
必要環境 CPU:i486SX 以上
メモリ:8MB 以上
HDD:10MB 以上の空き容量
発売元 バンプレスト
メディア CD-ROM
プレイ人数 1人
発売日 1999年2月14日
CD
  • 電影少女 オリジナル・サウンドトラック
  • 電影少女 2nd イメージ・サウンドトラック
    -Memories-
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電影少女』(でんえいしょうじょ、ビデオガール)は、桂正和によるSF恋愛漫画作品。様々なメディアミックス展開が行われている桂の代表作の一つ。元となった読切「ビデオガール」と共に、桂にとっては漫画家としてのターニングポイントとなった作品でもある[1]。2018年1月時点で累計発行部数は1400万部を記録している[2]

概要

読み切りとして書かれた「ビデオガール」(後述)を元に『週刊少年ジャンプ (WJ)』(集英社)誌上で1989年51号から1992年31号まで連載、最終回のみ増刊号『週刊少年ジャンプ1992年ウインタースペシャル』に掲載された。「プレゼント・フロム LEMON」終了後、2年振りの連載となった桂正和4作目の連載作品であり、また桂が手掛けた初の本格恋愛漫画[3]。単行本はジャンプ・コミックス (JC) より全15巻が刊行されている。後に愛蔵版(1997年 - 1998年)・文庫版(2003年)としてそれぞれ全9巻で再出版され、ラジオドラマ実写映画テレビドラマOVA小説ゲームと様々な形でのメディアミックス展開も行われている。

ピュア(純粋)な心の持ち主にしか見えない[4]レンタルビデオ店において貸し出される特殊なビデオテープから実体として現れる[5] 少女・ビデオガールと、その少女達の助けを必要としている恋に悩む少年を中心として、その少年の恋愛模様を描く。物語の中心となるビデオガールは2人登場し、本作はそのビデオガールの名前から「あい編」と「恋(れん)編」との2編構成となっている。なお、英題を兼ねる副題は編に合わせて2種存在する。

あい編

『電影少女』第1部に当たり、『WJ』1989年51号から1992年18号まで連載。副題及び英題は「VIDEO GIRL AI」。JCの1 - 13巻に収録されている。

再生時の失敗から性格が豹変したビデオガール天野あいとの関係を中心に、心優しい高校生弄内洋太の恋愛事情を描く。

「恋編」は連載期間が短く知名度も低いため、一般的に『電影少女』として広く知られているのはほぼ「あい編」のみであり、様々なメディアミックス作品も「あい編」のみを原作としている。

恋編

『電影少女』の第2部に当たり、『WJ』1992年19号から31号まで及び、1992年ウインタースペシャルに掲載された。副題及び英題は「VIDEO GIRL LEN」。JCの14巻と15巻に収録されている。

最初から心をもつビデオガール桃乃恋が、過去のトラウマから恋愛に臆病になっている高校生田口広夢と彼の親友刈川俊騎の恋を応援する様を描く。

「恋編」は「あい編」に比べると極端に連載期間が短いが、短期間で終了したことについて桂は「いろいろな事情」と語り[6]、トシキについてもっと描きたかったことを述べる[7] など、打ち切りであったことを示唆している。

タイトルの読み

『電影少女』の読みは単行本の中で「でんえいしょうじょ」とルビが振られており[8]、これが正式な読みとなっている。ただし『D・N・A² 〜何処かで失くしたあいつのアイツ〜』や『I"s』など後の作品の単行本では、作者のコメント内の『電影少女』に「ビデオガール」とルビが振られている物もあり[9]、「ビデオガール」という読みも、正式、もしくはそれに準ずる読み方として扱われている。

なお『電影少女』と言う表記はタイトルのみの使用となっており、作中に登場する少女達の呼称や英題を兼ねる副題では「ビデオガール (VIDEO GIRL)」となっている。

特徴

桂は本作のキーワードとして「リアル」を挙げており[10][11]、このキーワードは内容・絵柄共にこの作品を特徴付けている。そしてさらには桂の作風に大きな転換期を与えている[1]

内容のリアリティ

本作の連載開始前、桂は『WJ』において好評であった短編「SHIN-NO-SHIN 愛と憎しみのタイムスリップ」(『ZETMAN 桂正和短編集』に収録)を元に次の連載を開始するつもりであったが、当時『WJ』副編集長の、恩師として慕っていた鳥嶋和彦の鶴の一声により本作の連載が決定される[11]

しかし、元来ヒーロー物やSFを好む桂は恋愛漫画の執筆に当初はあまり乗り気ではなく[10]、せめてもの抵抗としてありがちな恋愛漫画を避けることを画策する[10][11]。そして少年誌の恋愛漫画の常套手段であった「主人公の表情と間で考えや気持ちを読み取ってもらう」方法を避け、その逆として「細かくリアルに心理描写を描き出す」方法を取ることとする[10][11]。こうした心理描写は女性読者にも共感を与え、「男なのになぜ女の子の気持ちがわかるのか」と尋ねる少女からのファンレターが届いている[12]。また教育評論家斎藤次郎はこうした心理描写を「少女漫画顔負け」と評し、ラブコメディとしてちゃかさずに恋愛を描いた本作を「少年誌初の『恋愛漫画』」と表現している。[13]

心理描写のリアリティ追求は行動のリアリティにも繋がり、男女交際の当然の帰結としてベッドシーンなどの性描写へと繋がっていく[10][11]。しかし「キスまで」という少年誌的な制約は厳しく[10]、桂はこの制約の中で「を出さずにエッチに描く」ことにより、際どくリアリティのある描写を目指していく[11]。それでもこうした描写はたびたび問題とされ、単行本に収録される際の修正[14]・単行本発行後の修正[15](3・5・6巻では初版と重版で異なる部分がある)・山口県での第3巻の有害図書指定[16][17] と、当時強まっていた漫画に対する表現規制のあおりを直接受けることとなる。なお、こうした過激な表現は洋太と伸子との交際がきっかけとなっており、伸子の登場の前後で作品の質が違うと桂は述べている[11]

こうした「裸体描写を抑えながらも過激度を上げる」というギリギリの表現方法は、以降も桂の作品の特徴となっており、後の「エム」や『I"s』などにも受け継がれていった[18]

絵柄のリアリティ

読切「ビデオガール」の頃より桂は、それまでの絵柄を壊しリアリティのある絵柄を模索し始める[19]

これは『電影少女』連載前に入院によって漫画の描けない生活を送っており、手が自分の絵を忘れてしまったことも転機とはなっているが[20]、その他にも自分のキャラクターのルックスに飽きたこと[19]アイドル好きが加熱していたこと[21] 自分の絵よりも現実の女の子の方がかわいいと思っていること[19] などが理由として挙げられている。

あらすじ

あい編

舞台は武蔵野に位置する東京都三鷹市。冴えないが気持ちの優しい高校生弄内洋太は同級生の美少女早川もえみに密かな恋心を抱いていた。しかし彼女は洋太の親友新舞貴志に憧れ、洋太の恋の行方は雨模様。そんな彼の前にあらわれた不思議なビデオショップ GOKURAKU は、ビデオガール天野あいとの出会いをもたらした。あいと洋太は互いに心惹かれるようになるも、ビデオガールには恋愛禁止の掟が課されており、2人の仲は一度引き裂かれる。その後、洋太は後輩の仁崎伸子と付き合うが、あいやもえみへの想いに悩まされる。

恋編

あい編から7年後の下北沢(東京都世田谷区北沢)などが舞台。過去のトラウマから「自分は女性を好きになってはいけない」と思い込む高校2年生田口広夢は、同じ絵画教室に通う白川あゆみに一目惚れをする。しかし彼女にはある悪い噂があった。親友刈川俊騎の後押しもあり白川をデートに誘い出したヒロムだったが、白川が噂通りの行動をとるのを目の当たりにしショックを受け逃げ出してしまう。激しく傷ついたヒロムと彼を心から心配するトシキの前に突然 NEO GOKURAKU が現れる。まだ試作品だというテープを無理矢理借り出し、ヒロムの自宅で再生すると、彼らの前にビデオガール桃乃恋が現れる。再生時間は「あなたが本当の恋に出会うまで」。

登場人物

あい編

※は恋編にも登場する人物

主要人物

弄内 洋太(もてうち ようた)※
私立貫大高等学校1年。思春期真っ盛りの冴えない高校生。幼い時に母親を亡くし、デザイナーである父親もほとんど家にいないため、一人暮らし同然。当初は男性向けファッション誌をバイブルに、モテたい一心で雑誌をそのまま参考にした生活を送っていた。当初、仲間達からは姓をひねって“モテナイヨータ”と揶揄されていた。過去の失恋経験から恋愛にトラウマがある。自分よりも他人を思いやる過剰なぐらいの「優しさ」を持つが、それゆえ、他人への配慮から発したその場限りの「不誠実な優しさ」で、逆に相手を深く傷つけてしまうこともあった。洋太の優しさは、相手への配慮だけでなく、過去のトラウマもあって「自分が傷付きたくない」という自己防衛的側面も強く、必ずしも自分より他人への配慮を優先した結果ではない。自分の本心を隠した、いわゆる八方美人やお為ごかしとも、弱さを優しさにすり替えたものともいえる。また他の女性とのデート中にあいの事を気にしたり、特に女性への気遣いという点においては思慮に欠ける言動も少なくなく、周囲の人間が評価するほど完璧な「優しさ」を発揮している訳ではない。嫌なことがあるとすぐ学校を休むなど、つらい事から逃避する傾向も強く、状況に流されやすい優柔不断な性格である。しかし、あいとの出会いや出来事を重ねていく内に、あいに頼り切っていた自分自身に気付き、人間的に成長していく。
父親の影響を受けて絵を描くことを特技とし、後に絵本作家として才能を開花させ、「恋編」においての肩書きは絵本作家であり、副業として絵画教室を開いている。
天野 あい(あまの あい)※
洋太が GOKURAKU から借りてきたビデオテープ『なぐさめてあげる♥』(のちに『応援するぜ』に改題)より現れたビデオガール。本来はスタイル抜群、かつ女性らしい淑やかな性格・特技の持ち主のビデオガールとして再生されるはずだったのだが、洋太のビデオデッキが壊れていたため、がさつで男っぽい性格になり、胸が縮み、得意なはずの料理も下手となる。また、副作用としてビデオガールが本当は持ち得ないはずの『人を愛する心』を持ってしまう。一度は洋太の前から消されるが、クラスメイトとして再び洋太の前に姿を現す。以前の記憶は消えていながらも、洋太に惹かれ、「洋太と結ばれれば、人間にしてやる(ただし洋太に知られれば無効)」というローレックとの約束から、再び洋太を振り向かせようとするが、いずれ消える運命である自分に、洋太が振り向きそうにも無いと分かると、自ら身を引き運命を受け入れようとする。再生時間がカウントダウンされる中、洋太の頼みを聞き入れ、彼の絵本作りを手伝うあい。最終的には、パッケージ通りの「ビデオガール・天野あい」に戻されることを不幸と感じた洋太に、デッキを壊され消えていく。その後は光の粒子となって洋太の部屋に漂いながら「見守って」いたが、洋太が改めて作り直した絵本の完成とともに消失するかと思われた。しかし、洋太、そしてあいを知るみんなが、彼女を想う心が奇跡を呼ぶ。光の粒子が再集結し「人間」へと生まれ変わったあい。洋太とあいは強く抱きしめ合うのだった。
自分が消える運命にあっても、自分が選択したからと洋太なり他の誰なりに精神的に頼らず、人のいいところを見つけるのが得意。洋太への必殺技は「コバンザメ」、「フライングプレッシャー」、「あいちゃんダイナミック」など多彩。
「恋編」では直接の登場はないものの、洋太の会話の中で元気であることが語られており、またあいが発したと思われるセリフも描かれている。
早川 もえみ(はやかわ もえみ)
洋太の同級生で、顔もスタイルも良い、かわいらしい美少女。洋太は彼女に恋心を寄せているが、もえみは新舞貴志に恋をしており、その相談を、もえみの中では友人の範疇内と位置づけている洋太にしてしまう(洋太は傷つくが、もえみは考えも及ばない)。物語中盤のある事件をきっかけに貴志と別れ、自分に好意を持ってくれている洋太と付き合うことにするが、それも初めは傷ついた心を寂しさや孤独感から回避させ、洋太の優しさで傷口を覆い包ませ癒し守るためだった。しかし、徐々に真摯な洋太に惹かれていき、のめり込んで行く。あいに心を奪われている洋太の愛を得るために必死の努力をするも、洋太はあいを選び、もえみは振られてしまう。父親の海外赴任に伴いスイスジュネーブに行く予定(もえみのスイスでの進路の予定は作中では明らかにされていない)で高校も退学するが、外国へ行くことは逃げることになるのではとの思いから、日本で一人暮らしをすることになった。いつも他人に頼らず生きてきたあいに比べて、他人に頼って生きようとしていた、弱かった自分を回想する場面がある。
新舞 貴志(にいまい たかし)
洋太の親友。友人と組んでいるバンドではウッドベース担当のベーシスト。洋太とは対照的にモテることにはあまり関心がない、禁欲的かつクールな美少年。その甘いマスクもあって、もえみをはじめ多数の女子生徒を惹きつけている。ただし過去にトラウマがあるために女性に対しての関心は薄い。気が無いながらももえみと付き合いはじめるが、後に彼女のことを意識し始める。しかしとある事件をきっかけとして、もえみと洋太のことを思い、自らを悪役とすることによってもえみと破局し、さらには洋太とも絶縁状態となる。その後、洋太の元を去ったあいの危機を救い、一緒に暮らし始めるが、あいの事は異性と意識していない。あいによれば、自分が持たない洋太の優しさに憧れている様子である。夏美と清水の関係をあいから知らされ、夏美が危篤に陥ったとの連絡を受けたあいと共に、夏美と清水を再会させるのに手を尽くす。後に、清水と共に岡山でバンド活動をするようになる。
仁崎 伸子(にざき のぶこ)※
洋太の後輩。中学生の時に在籍していた美術部で洋太に憧れ、洋太を追って同じ高校に入学し、留年した洋太と同じクラスとなる。他の女子生徒とは好みの男のタイプが少し違う。ポジティブ思考の持ち主で、時々洋太をビックリさせる大胆発言をする。洋太に想いを告白し付き合い出すものの、洋太があいのことを想っているためにぎくしゃくし、夏休みになってから致命的なすれ違いが生じた末に、やり直しを提案した洋太を伸子が拒否する形で終幕を迎える。ただし、伸子は洋太を嫌いになった訳でなく、あいと洋太の邪魔にならないように身を引いたのである。
「恋編」には最終回直前に登場している。
山口 夏美(やまぐち なつみ)
幼い頃、洋太の家の近くに住んでいたが、引っ越して以来音信不通となっていた少女。伸子と別れた洋太が失意のままに乗った電車(

ピュアな心の持ち主にだけ見える不思議なレンタルビデオショップを営む組織。

おじいさん※
名前は不明。レンタルビデオショップ GOKURAKU の店主として洋太にあいのビデオを貸し出した人間。高い技術力を買われ、ローレックの元で働いており、GOKURAKU の組織の中では下層に位置する。組織の中で唯一の洋太とあいの味方であり、あいの身元引受人となり、あいを人間にするために試行錯誤したりと、自分の身を省みずに2人の力になる。
「あい編」最終話で次元の狭間に飛ばされかけたが、「恋編」では心のあるビデオガールを貸し出し、GOKURAKU に敵対する NEO GOKURAKU の店主として、洋太と数年ぶりの再会を果たした。
ローレック
ビデオガールを作った男で、季節に関係なくいつもコートを着ていることから通称は「コートの男」。完全な人工人間。GOKURAKU 店主は「あのお方」と呼んでいる。冷酷な性格で、特定の男に恋をしたあいを失敗作とみなし、洋太のもとから回収、処分しようとする。
バルテック
おじいさんが「上の方」と呼び、GOKURAKU においてローレックの上に位置する人物。
神尾 まい(かみお まい)
あいに代わり完璧なビデオガールとして「再生」された少女。ビデオのタイトルは『元気を出して♡』。仁崎伸子に振られたことをローレックにつけ込まれた松井直人によって再生された。当初は直人の言うことに盲目的に従う人形のような美少女として振る舞っていたが、理性をなくした直人に1週間も視聴覚室に監禁され、壊されかけた。その後、ローレックによって様々な特殊装備を施されてパワーアップし、あいの消去を命じられてからはサディスティックな性格に豹変した。GOKURAKU の設立目的である「愛という感情の否定および消滅」という設定を体現したキャラクターの一人で、愛を信じ、人を愛する「不完全な」ビデオガールであるあいを敵視する。自らの体に流れるあいとは違う型の磁力を武器にし、あいを葬り去ろうとするが、2度の襲撃はいずれも失敗。最後はあいの磁力によって敗れ、「消えたくない」という感情とともに消滅してしまった。外見のモデルは『
空山 高夫(そらやま たかお)
洋太と同学年で同じ高校に通う高校生。美術部に所属している。電車の中では痴漢行為を働くなどと非常にスケベで女好きな性格をしており、女性の前では猫をかぶりかわいこ振るなど、裏表のある性格である。かわいいと思ったあいと洋太が仲がいいことが気に食わず、洋太からあいを奪おうとする。父の作三は PTA の会長を務めている。父親が PTA の会長であることを利用し、洋太を挑発して自分を殴らせ陥れて退学に持ちこませようとする(これはPTA役員の母親が関与した)など、非常に計算高い謀略家と言える。結果、洋太は退学は免れたものの、空山の母親が「絶対に許さない」と息巻いたこともあって停学に処せられ、それによる出席日数の不足から留年することとなった。
美加(みか)
洋太が小学校の頃に好きだった女の子で、告白し振られた初恋の相手。回想でのみの登場。
ひろこ
洋太が中学校の頃に好きだった女の子。洋太が絵を描くことをやめ、恋愛マニュアル通りの行動を取るようになったきっかけを与えた人物。
友子(ともこ)
伸子のことを「ノーチン」と呼ぶ伸子の友達。
松井 直人(まつい なおと)
伸子と同学年の高校生で、以前から伸子のことが好きであった。通学中の電車内で伸子が洋太のことでもめていることを聞きつけ、隙に付け入り告白するも振られ、GOKURAKU を利用出来る人格ではないながらも特例として神尾まいのビデオを与えられる。学校の視聴覚室で再生し、そのまま1週間飲まず食わずで視聴覚室に籠りきって衰弱し、ローレックにまいに関する記憶を消す劇薬を飲まされ倒れている所を発見される。自分が振ったせいでこのような事態になったと思った伸子が看病に付き、洋太とすれ違う原因を作る。しかし伸子が洋太と別れた後は登場していない。
清水 浩司(しみず こうじ)
夏美の彼氏で、
田口 広夢(たぐち ひろむ)
マンガ家を目指す、私立楽歓高等学校の2年生。洋太の開く絵画教室に通っている。仕事上の理由で北海道へ行った兄の部屋で、留守中の管理のために一人暮らしをしている。性格は生真面目。女性に対して恐怖を伴う幻想を抱いており、トシキからは「対女性潔癖性」と言われている。過去、恋した少女に手酷く振られた上に、周囲に笑い者にされたことで自殺までしようとした(これはトシキが止めた)トラウマから恋をすることを拒み続けていたが、白川との出会い、恋と出会ったことによって徐々に変わって行く。四字熟語慣用句など少し難しい言葉を使いたがるが間違えることも多い。
桃乃 恋(ももの れん)
ビデオショップ「NEO GOKURAKU」のビデオテープ『恋をしようよ♡』から現れたビデオガール。再生時間は「あなたが本当の恋に出会うまで」。あいとは異なり最初から心を持っている。ヒロム達が NEO GOKURAKU を訪れた時はまだ出来たばかりのプロトタイプで、テストをなされていない状態であった。素直で朗らかな性格であり、役目を果たそうとかなり一生懸命ではあるが、ドジでおっちょこちょい。料理は苦手。初対面時にヒロムが「ボク」と言ったのを気に入り、自身でも一人称として「ボク」を用いる。
白川 あゆみ(しらかわ あゆみ)
ヒロムと同じ絵画教室に通う、神瀬高校の2年生。ヒロムのトラウマの原因となった島田礼子と瓜二つ。兄がいたが他界している。まじめで一途な性格で誰が見てもかわいらしい美少女だが、「男と2人きりになるといきなりパンツを脱ぎ『このままでもできるでしょ』『あとは好きにして』と言う」という根も葉もない噂が流れている。克也と交際していたが実は遊ばれていた。後にはヒロムと付き合う。心は「ピュア」そのもので、ヒロムと付き合い始めてからも、彼に何よりも「自分自身」を見てほしいと願っている。
刈川 俊騎(かるかわ としき)
ヒロムの幼なじみであり親友であり同級生。恋が登場してからはヒロムの家に泊まり込み3人で生活していた。料理が得意で喧嘩が強い。非常にモテる上に「来る者は拒まず」なために、とっかえひっかえで女の子と付き合うが、誰と付き合っても本気になれないという悩みを持つ。ヒロムの過去を知っており、実際に自殺を止めた一件もあってヒロムを心から心配しており、どうにか彼のトラウマを消そうと一生懸命尽くしている。ヒロムと恋との生活の中で今までの自分の問題点と自分が梢子のことが好きなことに気付き、クリスマスに告白して付き合うこととなる。
小沢 梢子(おざわ しょうこ)
ヒロムとトシキの幼なじみであり同級生。トシキと同じくヒロムの過去を知っており、心配している。ヒロムからは女として見られていないことを知りつつも密かに思い続けていたが、ヒロムが白川と付き合い始めたことによってその思いにけりを着けた。クリスマスにトシキからの告白を受け、付き合いはじめる。
克也(かつや)
白川と同じ高校に通う白川の元彼氏。白川の噂を流した張本人。
里子(さとこ)
白川と同じ高校に通う白川の友達で、噂に苦しむ白川のことを心配している。
島田 礼子(しまだ れいこ)
4年前にヒロムに告白された際にあらん限りの怒声で「あたしが恥ずかしいんだよ!このバカ!死んじまえ!家に帰ってクソして寝ろ!」とその可愛らしい顔からは想像がつかない程の罵詈雑言であからさまな嫌悪を示すという酷い振り方をして、ヒロムに決定的なトラウマを与えた張本人。白川あゆみと瓜二つ容姿を持つが、元々ヒロムを嫌悪しており、告白されたことに怒りを爆発させた形だった。回想のヒロムを振った場面のみの登場でトシキと梢子が会話で名前を出したこと以外、どこで何をしているのかなど、去就は一切語られなかった。

その他

  • 実在する街が描かれているが、これは桂正和のこだわりであり、登場人物以外でも「リアルさ」を求めた結果(空想上ではなく実際の街中でストーリーが繰り広げられることを求めたため)である[要出典]。これは後々の作品にも引き継がれている。
    • あい編では三鷹駅周辺が主な舞台となっておりよく登場する。特に北口が登場する場面が多い。その他、吉祥寺(パルコや北口商店街)や新宿(主に東口)も実在する施設が多い(武蔵境駅も連載当時は「実物そのもの」であったが、2008年現在は中央線の高架化工事で駅舎が移転したため全く異なっている)。その後の OVA では渋谷が登場したほか、千葉県市川市江戸川放水路東西線妙典駅近く)に非常によく似た場所が登場した。
    • 恋編では下北沢渋谷が描かれている。
  • 第5巻の2版以降、差し替えがある。確認できるだけで以下の通り。
    • 2版以降は目次の次の2ページが黒で塗り潰されている。これは初版の19・20ページが全てカットされたことでのページ数不足を補うためである。まいがスカートをたくし上げ、露わになった下着に松井が手を伸ばし、下腹部を愛撫、さらに頬擦りをして崩れ落ちる、という2ページが削除されている。下着を見せることへの恥じらいを確認した後、すぐに見つめ合うシーンへ移る。
    • CHAPTER38・39にかけて、まいは全裸であったが、下着が加筆されている。しかし、修正の精度が悪く、コピーした原稿に手書きで書き足した画質に劣化している。トイレに行こうとする際に下着を履きなおすのだが、既に履いているため、話の流れが不自然になってしまっている。
    • CHAPTER41の2ページ目1コマ目は当初「あいの尻のアップ」であったが、次コマの洋太の顔部分のみを拡大したコマに差し替えられている。
    • 裸エプロンという姿であったあいに、下着が加筆されている。
    • CHAPTER45の中で、あいともえみが温泉に入っているシーンで、お湯の量が増やされ、下腹部が隠されている。
  • 『WJ』上での次作『D・N・A²』にはエロ本の表紙モデルとして天野あいと神尾まいが出演している[23]
  • 2020年9月に

    電影少女 -VIDEO GIRL AI-』のタイトルで1991年に集英社カセット及び集英社CDブックより、カセットブック・CDブックが発売。脚色は後にノベライズも担当した富田祐弘

    収録曲

    1. 電影少女 VIDEO GIRL AI
    2. VIDEO GIRL

    担当声優