日本の駅ナンバリングの例

駅ナンバリング(えきナンバリング、: station numbering)は、鉄道駅に対して、通常の駅名とは別に英字(ラテン文字)とアラビア数字などからなる駅番号を付ける制度。駅番号制とも呼ばれる。世界的に普及しているラテン文字やアラビア数字を使うことで、現地語に疎い者にとって駅を識別しやすくなるとの判断から、一部の国の鉄道、路線バスなどで導入されている。

駅番号の構成

駅番号は記号部分と数字部分(番号部分)から構成されていることが多い。事業者が1路線しか運行していない場合や、直通運転や運賃の通算がない独立した路線の場合では、数字部分のみのこともある。

記号部分

路線記号は通常、英字1文字または2文字からなる。路線の識別にもアラビア数字を用いていることもある。路線記号は路線名のローマ字表記の省略形になっていることが多く、その中でも頭文字をそのまま路線記号にしたものが多い。ただし、同一地域で頭文字が同じ路線がある場合は異なる事業者でも路線記号が重複しないように変更されることが多い。近畿日本鉄道とJR西日本は、路線記号に路線名・事業者名を使用せず、任意のアルファベットを振り分けている。JR東海JR九州は1文字目に事業者名、2文字目は任意記号を組み合わせて使用している。

また、複数の路線が直通し、事実上一体の路線として運行されているような場合には、1つの路線記号を持ち、駅番号も連続したものとなっていることがある。この場合の路線記号は、最も主要な部分の路線名に基づいて設定されたと見られるものを使用していることが多い(Osaka Metro御堂筋線北大阪急行線間など)。東京メトロ千代田線⇔JR常磐線各駅停車東京メトロ南北線埼玉高速鉄道線のように、路線記号は異なるが番号は連続している場合もある。

阪急電鉄京阪電気鉄道のように、ナンバリング導入の際に、既にナンバリングを導入していた直通する他事業者との境界駅には新たに独自の駅番号を付けず、先に導入した事業者側と同じ駅番号を使用することもある。阪急では、他の駅はHKで始まる駅番号となるが、天神橋筋六丁目駅は地下鉄堺筋線の駅番号として既に付されていたK11を阪急でも使用している。京阪京津線では、他の駅はOTで始まるが、御陵駅は地下鉄東西線の番号として既に付されていたT08を使用することとなった。

東京メトロ丸ノ内線は本線と方南町支線を大文字・小文字で区別していたが、英語アナウンスを区別するため、先述のとおり、方南町支線の路線記号をmからMbに変更した[1]

京成電鉄や京浜急行電鉄、南海電気鉄道など、路線別に記号を使わず、その事業者の全路線で同じ記号を用いている事業者もある。

数字部分

数字部分は通常、0または1から始まる一連の番号になっている。1桁の番号は、桁数を合わせるために頭に0を付けられる形で「01」のように2桁になっていることが多い。また、方角を基準に定めている場合には路線の起・終点とは必ずしも一致しない場合がある。例えば東京メトロでは銀座線・丸ノ内線・日比谷線・千代田線で終点側の駅が01である(理由は後述)。また、路線図などでも本来の起・終点と逆になっている場合が多い。

本線から分岐する支線が存在する場合、番号を飛ばして付番する(京浜急行電鉄など)、支線分岐駅の駅番号から「211-1」のように枝番号をつけていくもの(南海電気鉄道など)などの表記法がある。

既存区間の途中に駅が新設された場合、例えば番号8と9の駅の間に新駅ができた場合は、特に西日本においては番号をずらさず8-1などのように枝番号を付けることがある。これは日本の高速道路におけるインターチェンジジャンクションコミュニティバスなどの例と同様である。2008年3月15日、駅ナンバリングを導入している四国旅客鉄道(JR四国)土讃線波川駅 (K08) と日下駅 (K09) の間に新設された小村神社前駅は駅番号がK08-1であり枝番号を付番する形をとった。韓国の仁川国際空港鉄道でも、黔岩駅 (A07) と雲西駅 (A08) の間に新設された青羅国際都市駅永宗駅に枝番号が付番されたが、A071、A072のようにハイフンを付けずに表す形となった。これ以外では、西日本旅客鉄道(JR西日本)は枝番号ではなく「JR-○08.5」(○は路線記号)のように小数で区別することを表明している[2]が、現状では適用例は存在しない。

一方で、新駅開業に合わせて番号を振り直すケースもある。例として東武鉄道では、2017年7月22日東武ワールドスクウェア駅開業に先立ち、同年4月21日に新駅より下りの3駅(鬼怒川温泉駅鬼怒川公園駅新藤原駅)で番号を1つ繰り上げた[3]。韓国では首都圏電鉄1号線東廟前駅首都圏電鉄3号線元興駅開業時に、新駅より上りの全駅(前者は18駅、後者は8駅)で番号を1つ繰り下げている。また、台湾の高雄捷運には、後から新設されたわけではないが、高雄国際機場駅 (R4) と前鎮高中駅 (R5) の間の草衙駅 (R4A) のように数字の後ろにAが付く駅が存在する。

駅ナンバリング導入時点に新駅設置計画がある場合は、あらかじめその駅にも番号を振っておき、その駅が開業するまでは欠番とする例がある。山手線京浜東北線の場合では、品川駅 - 田町駅間に2020年3月14日に開業した高輪ゲートウェイ駅 (JY26、JK21) にあらかじめ番号が振られており、愛知環状鉄道線でも導入時に計画があった貝津駅 (15) 、愛環梅坪駅 (13) にもそれぞれ番号を振っていた。京福電気鉄道(嵐電)では新駅設置計画のある区間や駅間の長い区間の番号を飛ばしていた(A01の次がA03など)が、2016年4月に撮影所前駅が開業した際に番号を振り直して欠番を解消した[4]。また逆に北海道旅客鉄道(JR北海道)や阪堺電気軌道では導入後に一部の駅・電停が廃止となっており、その番号は繰り上げられることなく欠番となっている。

またOsaka Metroでは、番号の小さい側でも乗り入れ路線と連番にするため、および将来の延伸を考慮して、数字部分が原則として11から始まっている。

特殊なケースとして、韓国の釜山都市鉄道1号線では数字の最初のひと桁目は「○号線」の数字が入る形になっていたが、新平駅 (101) より上り側の多大浦海水浴場駅へ延伸した際、延伸区間の駅については番号をカウントダウンする形で、095 - 100が付番された。

日本での事例

日本では昭和末期から長崎電気軌道が導入していた[5](長崎電気軌道発行の年史「ふりかえる20年のあゆみ」には1983年の電停表示版に停留所を示す番号が振られていたとの記載があるが、いつ・何のために付番したのかは不明である[6]。また当時は「駅ナンバリング」という認識がなかった[6]。)が、2002年FIFAワールドカップ日韓大会の開催に合わせて横浜市営地下鉄が実施、2004年東京の地下鉄である東京メトロ[注 2]都営地下鉄で同時実施したのを皮切りに、駅に番号が振られる地区が出始めた。観光などで訪日外国人の増加を目指す政府の「ビジット・ジャパン・キャンペーン (YŌKOSO! JAPAN)」に即した取り組みとして導入されているものもある。事業者によっては外国人の利用の増加を見込んで導入しているところもある。また、中京圏の鉄道は2005年日本国際博覧会(愛知万博)の開催を前に中部運輸局の指導により相次いで導入したものである。

日本の採用事例で、東京メトロ・都営地下鉄とゆりかもめの東京都心部3事業者と東武鉄道、阪急電鉄は記号部と番号部の間にハイフンが入る[注 3]。ただし、駅名標や路線図では記号部と番号部の2行で表記されている。

事業者単位で見ると、新規路線の開業や既存路線の延伸開業、万国博覧会やサミット、オリンピックなどの国際的な大規模行事が該当地域で行われることなどをきっかけとして導入されることが多く、2004年以降に開業した路線では開業時から導入されているものもある。ラインカラー制や案内表示の多言語表記[注 4]などと併用して導入されることも多い。また、駅名標のみならず、路線記号のみの例を含めて車両の行先表示器に導入している事業者も現れている。

2020年8月時点で、JRグループの旅客鉄道会社ならびに日本の大手私鉄においては、全社で全面的ないしは部分的に導入されている。

以下、日本の鉄道事業者において実施されているものである。

北海道

JR北海道

北海道旅客鉄道(JR北海道)では、2007年10月1日より主要線区で導入。中心となる札幌駅を (01) として(主に特急列車の運行系統の)方面別に記号を付け、札幌駅からの駅数で付番している。

札幌市営地下鉄

大通駅改札の駅ナンバリング表示

札幌市営地下鉄では、2006年1月26日より導入。

N 南北線 (N / Namboku) 麻生駅 (N01) - 真駒内駅 (N16)
T 東西線 (T / Tozai) 宮の沢駅 (T01) - 新さっぽろ駅 (T19)

札幌市電では、2015年4月1日より導入[7]。なお、札幌市交通局では「停留所ナンバリング」と呼称している。